【 無題 】
◆VZpO0svMyk




119 :No.30 無題 1/1 ◇VZpO0svMyk:08/02/11 00:27:02 ID:S44wChK6
 俺がお前に声をかけたのはお前のケツの形が色っぽかったからだ。もう何年も街中で声をかけ続けているので、
大体引っかかる女とそうでない女は見ただけで区別がつくようになった。俺が思うにその違いはケツの形だ。
引っかかる女のケツはでかくて色っぽい。オッパイも重要だが、ケツの肉のない女はつまらない。
 それで見事なケツをしたお前に俺は、絵のモデルをしませんかと言った。足を止めたお前は想像以上に
勝気な目をしていて、俺は殴られるかなと思ったくらいだった。だがお前はその後自分に何が起きるかも
知らずに俺に黙って付いてきて、俺の部屋でセックスをした。正確に言うなら、セックスの前にはちょっと絵も
描いた。俺は肉体に宿る生気の印をたどるのに躍起になったが、いつものようにうまくいかなかった。それから
長い間セックスをした。一応ゴムを付けた。俺はこの段階で既に無理強いすることがあるので、過去にはゴムを
付けないまますることもあったが、まだこの時は相手の同意があったので、ゴムを付けてセックスしたのだ。
セックスの後にはすっかりお前は俺の部屋に馴染んでしまって、ちょっと笑顔を見せたり勝手に冷蔵庫を開けて
ビールを飲んだりした。実に良い雰囲気だったが、ここでお前がそろそろ帰るねと言い出したので、俺はいつもの
ようにカッとなり、お前を殴り殺した。いや、絞め殺したのかもしれないが、大事なのは俺はお前を『完全に』殺した
ということだ。お前はソファの上でぐったりとなり、俺の女たちの一人になった。俺はそれからひどく浮かれて
ビールを片手にお前の尻肉を切りとりそのまま焼いて食べた。切り立ての尻肉はうまい。余った部分は大事に
冷蔵庫の奥に保存した。腹を裂いて内臓を取り出しこれも冷蔵庫に入れた。昔死んだ女をそのまま放置していたら
恐ろしい匂いを立て始めたので、面倒だが内臓だけはすぐに冷蔵庫に入れるようにしている。俺は解体したときに
出た血をバケツに集め少しだけ飲んだ。血は残念ながらあまりうまくない。飲むと興奮するが、どろどろとしているし
大量に飲むこともできない。それに用途は他にあるからだ。
 俺は大量に集めた血の入ったバケツを隣室のアトリエまで運ぶ。部屋の真ん中には俺の描きかけのキャンバスが
置いてある。一番大きな刷毛を血に浸し、なかなか良い具合に赤くなっているキャンバスに塗りつけていく。
下の方で塗り重なった血は乾き徐々に黒くなっていく。これこそ人間の生気だ。俺が描こうとしているものだ。

 了



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