【 Present by the Pet 】
◆IPIieSiFsA
124 名前:No.32 Present by the Pet 1/5 ◇IPIieSiFsA 投稿日:07/12/24 00:17:00 ID:jcC3BfA4
何か話し声が聞こえた気がして目を開くと、部屋の中にトナカイが立っていた。二本足で。
「あっ、起きた」
トナカイがしゃべった。
「おはよう。てか、人の部屋で朝っぱらから、妙な格好で何してるんだ?」
「おはよう、お兄ちゃん。これね、お母さんからのクリスマスプレゼントなの」
そういってくるりとターンして見せてくれる。
うんうん。可愛いぞ和奈。俺は妹の可愛さに目を細めた。
というか、そんな話をしてるわけじゃない。
「で、何してるんだ? それと、そのシーツを被った人は誰だ?」
そう。トナカイタイプのパジャマに身を包んだ妹――和奈の隣には、シーツを頭から被った誰かが立っていた。
「ちっちっちっ」
右手の人差し指を横に動かす和奈。
「足元を良く見てください」
言われてみた先にはなるほど、大きなリボンで口が縛られている。つまりこれは白い大きな袋ということか。
トナカイの妹に白い袋。肝心のサンタは何処だ? 尋ねると、和奈は袋のリボンを解いた。
「それじゃあ、サンタさんの登場です!」
掛け声とともに、シーツを上に引っ張る和奈。
シーツは上へと持ち上がり、中の人の姿があらわになっていく。
白い小さなポンポンがついた赤いニーソックス。ふともも、足の付け根、白いパンツ。だんごになって腹巻状態の赤いスカート。赤地に白いボタン、縁のサンタが着ているような上着。チョーカーならぬ首輪に恥ずかしそうな顔。そしてサンタの帽子。
「じゃじゃーん!」
完全にシーツが剥ぎ取られてその姿を現した、
「高見ちゃん、パンツ見えてるよ」
「きゃあああっ!」
高美は和奈の指摘を受けて、スカートを引っ張って押さえると、しゃがみ込んでしまった。
しかし、ミニスカートでしゃがみ込んでいるものだから、白い太ももの隙間から、もっと白い膨らみ的なものが見えていた。
ありがとう、サンタさん。というか、間違いなく確信犯のトナカイさんに感謝。
「隠してるつもりだろうけど、よりエロイ感じで見えてるよ」
親切心からハッキリと教えてあげる。
気づいてないのをいい事にじっくりと眺めるだなんて、人として最低なのだ。
俺の指摘に高美は一度下に目をやってから、すぐに立ち上がった。その顔は完全に真っ赤に染まっている。
125 名前:No.32 Present by the Pet 2/5 ◇IPIieSiFsA 投稿日:07/12/24 00:17:17 ID:jcC3BfA4
美少女の羞恥に染まった表情って素敵だよね。
「というわけで、久しぶりおはよう高美ちゃん」
目の前でサンタルックに身を包み、さらには顔まで赤くしているのは柊木沢高美。和奈の同級生にして、一時ペットだった経歴を持つお金持ちのお嬢様だ。まだSなのかMなのかはハッキリとしていない。
首輪があるということは、きっとまた何らかの賭け事でもしてペットになっているのだろう。
「お久しぶりです。それに、おはようございます。お兄様」
うん。やはりこの娘に言われる『お兄様』はイイね。
「にゃー」
トナカイ和奈が鳴いた。
「おひさしぶりです……にゃー」
やっぱりか。さしずめ、通知表で勝負でもしたのだろう。そして前回同様、和奈が勝ったのだろう。よくがんばったぞ、和奈。
「さ、サンタの高美から、お兄様にプレゼントですにゃー」
まだ吹っ切れてはいないのか、恥ずかしげに話す高美。しかしこれがイイ。
「プ、プレゼントは……あ・た・し・にゃー」
少しだけ身を屈めて、上目遣いにこちらを見つめる。ヤバイ。これは殺傷能力が高すぎる。もう俺は死ぬかもしれん。
「というわけで、今年のお兄ちゃんへのプレゼントは、高美ちゃんでしたー」
トナカイはシーツを小脇に抱えている。
「それじゃあ、後は若い二人だけで……」
含み笑いを浮かべながら、トナカイは俺の部屋から出て行った。というか、誕生日からいって、お前が一番若いだろう。
それはさておき、ありがちといえばありがちなサンタルックの高美と二人で部屋に残されたわけだが。
「高美ちゃんもよくやるね」
「同情しないでほしいにゃ。公平な勝負の結果だから仕方ないのにゃ」
というか、そんな勝負をよくやるな、と言いたかったのだが。まあ、何事も人それぞれだ。
「それで、今度はペットからプレゼントになったわけだけど、具体的には何をしてくれるの? 何をすればいいの?」
その言葉に、高美は少し躊躇いを見せて、しかし、キッと決意を固めてこちらを見ると、口を開いた。
「高美はペットでプレゼントだから、何でもするし、何をしてもいいにゃ」
顔は真っ赤に染まっているが。
そうか。何でもいいのか。なら、俺が言うべき言葉は一つだな。
「じゃあ、一緒にお風呂に入ろうか」
「にゃっ!?」
あっ、予想外だったみたいだ。かなりびっくりしてる。
126 名前:No.32 Present by the Pet 3/5 ◇IPIieSiFsA 投稿日:07/12/24 00:17:30 ID:jcC3BfA4
俺はそんな高美の頭をポンポンと軽く撫でてやる。
「冗談だよ。風呂に入るってのは嘘じゃないけど。昨日の夜は帰ってくるのが遅かったから、風呂に入ってないんだよね。だから今から入ってくるからさ、ここで待つか、和奈とでも遊んでてくれる? 話は風呂から出てからにしよう」
俺はそう告げるとベッドから起き上がる。タンスから替えのパンツを取り出して、部屋を出ようとしたところで、パンツを凝視していた高美が声をかけてきた。
「昨日の夜は……誰かと一緒だったんですかにゃ?」
「ん? いや、一緒は一緒だったけど、男友達と飲んでただけだよ」
「そうにゃんですか」
俺の答えに何故かホッとしたような表情を浮かべた高美。俺はそんな彼女を置いて、部屋を出た。
風呂場へと行く前に、妹の部屋の前を通る。ドアは微かに空いている。和奈の事だ、きっと俺たちのやり取りをこっそり観察しているはずだ。
もしかすると、DVDカメラか何かで録画をしてるかもしれない。しかし敢えてそれは無視して、俺は風呂場へ向かった。どうせ言っても効かないのだから。
脱衣所で寝巻き代わりのシャツとスウェット、パンツを脱いで浴室へ。
シャワーを浴びようと蛇口を捻るが、いくら待てども暖かくならない。そうですか、給湯器は点いてないですか。
俺はキッチンにあるスイッチを点けるべく、浴室の扉を開いた。
「きゃっ」
悲鳴。
目の前には相変わらずの格好の高美。その視線が俺の顔から下方へと、そしてある一点で止まり、
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!」
大絶叫。
いや、どちらかと言えば悲鳴を上げたいのは俺ですが。
俺はすぐに浴室に戻り、扉を半分だけ閉じて、顔だけを覗かせる。
「何してるの、高美ちゃん」
「えっ、あっ、いや、その……」
まさか覗きに来たわけでもあるまいし。
「お風呂に入るって言うから、お背にゃかでもにゃがそうかと思って……」
後ろを向いて答える高美。鏡の中の彼女と目が合った。慌てて視線をそらす彼女。
いやいや、そんなエロゲーみたいなことしなくてもいいから。
「それはしなくていいから、台所に行って給湯器のスイッチを点けて来てくれる?」
「はいにゃ」
うなづくと、高美は台所へと走っていった。うむ、素直ないい娘だ。
ほどなくして蛇口からは暖かいお湯が流れ出してきた。これでシャワーを浴びることが出来る。
そして戻って来た高美を何とか浴室に入れないようにしてシャワーを浴びた。
127 名前:No.32 Present by the Pet 4/5 ◇IPIieSiFsA 投稿日:07/12/24 00:17:45 ID:jcC3BfA4
そもそも、アレを見ただけであんあ悲鳴を上げる娘が、どうやって背中を流すというのか。
というか、そんなことしたら俺、捕まるんじゃないだろうか。本気で。
一苦労しながらシャワーを浴びた俺は、パンツだけを新しいものに履き替え、シャツとスウェットはそのままで部屋に戻った。
部屋では高美が絨毯の上にちょこんと正座をしていた。見えそうで見えないラインがまた素晴らしい。
「さて、どうしようか?」
そう口にはしてみたものの、ホントにどうしたものか。
「何でも言ってくださいにゃ?」
少しだけ小首を傾げる高美。ううむ。この仕種もイイな。
ふむ。少し試してみるか。
「じゃあ、ちょっと目を閉じて」
「えっ? にゃにするにゃ?」
「いいから、閉じて」
戸惑う高美を無視して、強引に目を閉じさせる。
不安げな表情で目を閉じている高美のおでこに右手を当てる。
高美の体がビックと震えた。だいぶ、緊張してるみたいだ。
「大丈夫だよ」
耳元で囁くように告げると、再び高美の体が震えた。
感じやすい娘だ。
俺はそう認識すると、左手で右手の中指を限界まで反らして、一気に放した。
中指はパチンッというイイ音を立てて高美のおでこにヒットした。
「にゃにゃっ!?」
高美が驚いて目を見開く。
「ははっ、ごめんごめん。ちょっとからかってみたくなって」
おでこをさすり、抗議のまなざしを向ける高美をなだめる。
「今度は本当だから、もう一度目を閉じて」
再び囁くように告げると、高美は大人しく目を閉じた。
しかし、何が本当なのだろうか。
やはり不安げな――先ほどとは別の不安も入り混じった――顔の高美。その頬に両手を添える。緊張の為だろう。またも高美の体がビクッとなる。
俺は両方の親指を高美の口の端にそっと近づける。
「緊張しないで」
128 名前:No.32 Present by the Pet 5/5 ◇IPIieSiFsA 投稿日:07/12/24 00:17:59 ID:jcC3BfA4
優しく告げると、俺は口の中に親指を差し込んで一気に両側に引っ張った。
「ひにゃっ!?」
変な叫び声を上げる高美。
「にゃににゅるんねぇにゅにゃ!?」
うん。全然、何言ってるかわからない。
俺は引っ張っていた指を放してやる。
「にゃにするんですかっ!?」
「ごめんごめん。あまりにも素直に従うもんだから、つい、からかってみたくなって」
高美は「むぅぅぅ」と唸っていたかと思うと、
「にゃっ!」と掛け声をかけて、俺の両肩を押してきた。
恐らく、高美の全体重がかけられたのだろう。俺は何の抵抗もできないまま、押し倒されてしまった。
高美は俺の腹の上に乗っかり、完全にマウントポジションを取られてしまった。
「何でも言うことを聞くんじゃなかったのかな?」
「猫は気まぐれなのにゃ。だから、こういうこともあるのにゃ」
そう言って不適に笑うと、右手を上げて俺のおでこをピシャリと叩いた。
む。地味に痛い。
続けて二度、三度。ピシャピシャと容赦なく高美が叩いてくる。痛いのは痛いんだけど、お腹は逆に気持ちイイと言う、このジレンマ。
「トドメにゃ!」
そういうと、高美は高々と右手を掲げ、振り下ろす。
俺は思わず目を閉じる。
が、痛みは一向にやってこず、代わりに、
チュッ
と、唇に何かが触れた。
というか、唇に触れるものはアレしか考えられないわけで。俺はすぐに目を開いた。
頬を赤く染めた高美の顔が近距離五センチにあった。
「どうして?」
「……猫は気まぐれにゃから、こういうことも、あるのにゃ」
そして再び、俺たちの唇が触れ合った。
横目に、DVDカメラを構えてニヤニヤしている和奈の姿が見えた。
しかし妹の見てる前で、しかも妹の同級生とキスするとか。しかも映像に残されてるとか。もうね、死にたい。