43 :No.12 赤とイエロー 1/1 ◇K0pP32gnP6:07/11/04 20:17:57 ID:CXhL+OYA
膝を折って崩れ落ちている俺の前に、仁王立ちしたみゆきは言った。
「約束どおり、おごって貰うわよ?」
「ああ、負けは負けだ。甘んじておごるよ」
その代わり、
「俺の選んだ店でいいんだよな?」
ここで言っておかないとどんな高いものをおごらされるか分からない。
「ええ、その代わり、オムライスのある店でね?」
落ち着いた雰囲気の喫茶店。
その一番奥まった位置にあるテーブルに俺たちは座っていた。
注文したのはオムライスふたつ。
「ふっふーん。いい雰囲気じゃない」
オムライスの値段を考えながら俺は黙っていたが、みゆきは続ける。
「最高よね。オムライス。あの卵のふわふわ感」
ニコニコしながら
「そしてあの赤いトマトケチャップ!」
「ちょっとまて、今、何て言った?」
俺の質問を無視するみゆき。
「ケチャップでオムライスが決まると言っても過言ではないわね」
トレーに皿を載せた店員が近づいてくるのを満面の笑みで見ながら、
「あの赤とイエローのコンビネーション。そしてさらに卵の中から出てくるチキンライス!」
店員がテーブルの横に到着。
「オムライスになりまーす」
明るい声で宣言しながら、テーブルにオムライスの皿をを置く。
瞬間、時が止まったかのように思えた。
皿には、黄色とブラウンの色。
「あぁ! ケチャップじゃなくてデミグラスソースかよぅ!」