【 無題 】
◆bA6Gh2rp06




59 : ◆bA6Gh2rp06 :2006/05/14(日) 22:53:10.02 ID:lICC6/uM0
今日も夜中に目が覚めた。ここ三日四日連続だ。
「なぉぉぉん、うぅなぉぉぉん」
「うなぁーー、ぅぅぅうなぁぁぁぁ」
今日もどこかで猫がサカっている。とてもうるさい。
「昼間中遊んでいるくせに。わざわざ夜中に騒ぐんじゃねぇ。」
私は布団を頭まで被り、再び目を閉じた。
それでもまだ盛り声は聞こえてくる。しかも布団をかぶって息苦しい。
「くそっ!なんで静かになんねぇんだ!」
どうしてもやまないその鳴き声についに私の堪忍袋の緒が切れた。
ガラガラッ!ダンッ!
私は乱暴に窓を開けると、机の上においてあったライターを掴み、
やかましい声のするほうに思いっきり投げつけてやった。
「ぎゃぁぁぁん」
と叫び声の一つでも期待していたが、さすがに直撃はしなかったようだ。
しかし威嚇の効果はあったのか、盛り声は止んでいた。
「ははっ、これで寝られるぜぇ」




60 : ◆bA6Gh2rp06 :2006/05/14(日) 22:53:28.82 ID:lICC6/uM0
「おいA!なんだこの企画書は!ガキじゃないんだ。こんなミスしてると首にするぞ!」
「はい。申し訳ありませんでした。」
「お前なぁ、いっつもたるんでるぞ!入社以来使えたためしがない!だいたいな・・・」


「はあっ!ったく、イチイチうるせえんだよな。ボケ課長が。」
「だいたいミスするのは盛りのついた猫の所為なんだよ。」
「何日も夜中に起こされてみろってんだよ。」
「ああ、ねみぃ。」
ぶつぶつと文句を言いながら、その日は仕事を終えた。

「はあっ、なんか疲れたな・・・寝るか・・・」
部屋にもどると直ぐに寝いってしまった。



61 : ◆bA6Gh2rp06 :2006/05/14(日) 22:53:49.91 ID:lICC6/uM0

「んなぁぁあん」
「ああぁぁんなぁぁぁん」
「・・・」
「なぁぁぁぁん」
「・・・またかよ」
今晩も目が覚めた。
「くそったれが!」
私は昨日のように窓を開けると、昨日のようにライターを投げつけた。

「・・・んなぁぁぁあん」
「にぃぁぁぁぅぅぉぉ」
「糞がっ!」
もう二つほど投げつけてやったが、全く効果はないようだ。
「なんでだっ!静かにしろよっっ!寝させろよっ!!」
ダンッ!ダンッ!
八つ当たりで壁を殴ったが当然奴らは静かにならない。
「あああああぁ!」
もう私は何がなんだか分からなくなって、たまたま手にあたった書類用の重しを
ライターの用に投げつけていた。
「ぎゃぁぁあぁぁん」
予想外の叫び声に私ははっとした。
しかしそれが猫のものだと気付くと
「ははっ。いい気味だ。」
その後はぐっすり眠れた。



62 : ◆bA6Gh2rp06 :2006/05/14(日) 22:54:04.82 ID:lICC6/uM0
「おいA!また今日もか!いい加減にしろよ!」
「昨日も言ったばかりだろう!こんな事じゃあ来月いっぱいで首だぞ!」
「何だその顔は!言いたいこ「うるさい・・・」
「なに?何か言ったか?」
「うるさい・・・うるさい!うるさい!お前はうるさい!」
ガッ!ガッ!ガッ!
「きゃああああ!」
「おい!A!何やってんだ!」
「皆うるさいんだよぉぉ!」



「んなぁぁぁぁん」



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