【 プリンと大人の女とブラジャーの話 】
◆VXDElOORQI




125 :No.31 プリンと大人の女とブラジャーの話 1/2 ◇VXDElOORQI:07/09/24 03:28:07 ID:SCEDXoXb
「なんで私のプリン食べちゃうのよ! バカ!」
 冷蔵庫の前で妹は泣きながら、俺の胸を両手でポカポカと叩いてくる。
「だって名前書いてなかったし」
「そんなの書くわけないでしょ!」
 妹はさらに強く俺の胸を叩く。いや、もはや殴ると言ってもいいほどに力強く叩いてくる。効果音
で言えばポカポカからボカボカになったくらいの違いがある。このまま殴られ続けたら、そのうちボ
コボコにされてしまうかも知れない。
 なにもプリン食べたくらいでそんなに怒ることないと思うが。
「はいはい。俺が悪かったですよ。……プリンくらいで、まったくガキなんだから」
 その言葉が、また妹の癇に障ったらしい。
「なんで私が子供のせいにするのよ! お兄ちゃんが食べちゃうのがいけないんでしょ!」
 それはそうだが、やっぱりプリンくらいでそんなに怒られちゃ、俺だって腹が立つ。
「ガキにガキって言ってなにが悪いんだよ」
 妹は俺を叩くのやめ、今度はドンと俺を突き飛ばした。
「もう私、中学生だもん! 子供じゃないんだから! 大人の女なんだから!」
 中学生って言ったらまだまだ子供だろ。大人扱いになるのはせいぜい、電車賃を払うときくらいな
もんだ。
 それになんだ。大人の女って。なんか意味が違って聞こえるぞ。大人の女なんて、妹とはただの大
人より更に遠い存在だ。
 ぺったんこの胸にくびれもない腰、小さいお尻。どれをとっても全然ダメ。大人の女なんて言うの
は十年早い。いや、十年ですら足りないかも知れない。とにかく早い。
「はっ! 洗濯板のお前が大人の女だって? せいぜいブラジャーしてから出直してきな」
「ブ、ブラジャーなら! もうしてるもん……」
 妹は急に顔を真っ赤に染め、声もさっきの怒鳴り声とは違い急に小さくなる。
「嘘をつくな嘘を」
「嘘じゃないもん!」
 そう言うと妹は服を裾をぎゅっと握る。
「え、ちょっと」
 俺が止める間もなく、妹は裾を一気にめくり上げた。
「ほ、ほらちゃんとブ、ブラジャー、してる、でしょ」

126 :No.31 プリンと大人の女とブラジャーの話 2/2 ◇VXDElOORQI:07/09/24 03:28:18 ID:SCEDXoXb
 妹は顔を捲った服で隠している。横から覗く耳がこれでもか、というほど真っ赤に染まっている。
 確かにそこには妹を胸を覆うようにブラジャーが。そう確かにブラジャーがあった。
 スポブラだったけど。
「やっぱりまだ子供じゃん」

おしまい



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