【 女の闘い 】
◆/z2FA0MXPs




88 :No.26 女の闘い 1/4 ◇/z2FA0MXPs:07/09/09 23:30:38 ID:3+RL0H4f
 夏だ! プールだ!
 うはうはと新品の水着を取り出す。うふふ、うふ、うふふふふ。私のすばらしいプロポーションを
周囲の男どもに見せ付ける機会! 逃してたまるか彼氏ゲットのこのチャンス!
 燦燦と日光を降らせる太陽を睨み付けると、やつもちょっとは怯んだのか雲に隠れやがった。
ふはははは、日焼けしてたまるかこんちくしょう。この白い肌! 大きすぎず小さすぎもしない胸!
引き締まったウエスト! プールの主役はこのあ、た、し。うふ。
 日焼け止めをこれでもかと塗りたくり、水に落ちない化粧をして、監視員にばれなさそうなアクセを
装着。いえーい。鏡で見る自分に見蕩れ、着替え室のカーテンを引いた。目に飛び込むのはたくさん
の不細工女たち。はん、よくそんな体型で水着なんて着る覚悟があるわね。信じられなーい。
 友達を求めてうろうろすると、背後から小さな声が私の耳を攻撃した。
「かわいいね、春香」
 ……あん?
 振り向くと、友人こと真紀の水着姿。あ、かわいい……なんて思ってたまるか思ってない。引き締
まったボディが惜しげもなく晒されて、小麦色に焼けた肌が健康的に光っている。ええと、うん、それ
なりに可愛いわ。私以下だけど。
 しかしそんなことよりも、真紀が私を誉めたことが怖い。そして彼女の人差し指の行方が気になる。
私の上半身を指差して――まさかとは思うけど?
「胸」
 はあん?
 真紀は友人でもあったけれど、それ以上に戦友だ。家が隣同士の幼馴染の因果ってやつだろう。足の
速さ、テストの点数、服のセンス、なんでもかんでも争ってきた。彼氏の有無は今のところイーブン。だか
らこそ今日は負けるわけにはいかないという意気込みは彼女も私も一緒なのだろう。先制攻撃に負けてたまるか!
「……真紀もあんま変わんないと思うけど?」
「そう? そこまで小さくはないよ?」
「変わらないってば。ん? あれ? 私の方が大きくない?」
 更衣室にどろどろとした黒い空気が漂い始める。女の戦い勃発だ。彼氏どうのこうのよりもまず、こちらの
勝敗を決しなければならないらしい。今までこれを競わなかったこと自体が不思議に思える。そう、女として
胸の大きさは何よりも重要事項。その重大さに、私たちは無意識に逃げていたのかもしれない。
 乾く唇とペロリとなめ、戦闘よーいスタート!

89 :No.26 女の闘い 2/4 ◇/z2FA0MXPs:07/09/09 23:30:54 ID:3+RL0H4f
 まずスタートラインが一緒でなければならない。ぴったりと体を密着させ、頂の高さを競い合う。しっとりと
汗ばんだ真紀の体温が伝わって、ああ、やわらかい。いやそれはどうでもいい。胸の大きさをじっと眺める。
う、あんま変わらない、でも引き分けなんて認めてやるものか。
「やっぱり私の方が大きいね」
「何言ってんの――ていうかこれパットだし」
「あ、そうか」
 これでは決着をつけられない。水着によってパットの厚さがどうのという話は聞かないけれど、でもやっぱり
公平ではないだろう。
 仕方なしに客観的に審判してくれる人を探すが――うん、好奇の視線しか見つからない。性格がキツイせい
か、私たちには一緒に遊んでくれる女友達にいつも不足している。でなければ真紀と一緒になんか、多分一緒
にいない。多分。てか私の友人関係なんてどうでもいい。今は胸だ胸。
 どうしようか。そう悩んでいると、真紀が喚いた。
「ああもう! 押さえつけてるから悪いんだ!」
 何を、と思う間もなかった。気がつくとカーテンで仕切られた個室へと思い切りひっぱられていた。
「よっしゃ春香も脱げ!」
 女子更衣室とはいえ、なんという……。そこにはビキニのトップがはずされ、バストがぽろんと出た、友人の
姿。お前どこの痴女だ!
 まあでも確かに水着アリではだめだろう。そっと私も彼女に倣うと、その狭い空間には痴女二人が並んで
立っていた。別に混雑していれば個室に二人で入ることだって珍しくもないのだから、別にカーテンの下から
足が四本覗いていたって不審には思われないはずだ。
 もう一度二人でぴったりと身を寄せる。真紀の汗の香りがふんわりと漂う。無駄毛も綺麗に処理されて、
すごく綺麗な肌だ。
「ふ、やっぱり私の方が大きい」
「どこに目がついてんのあんた。私の方が大きいでしょ。それにあんた、胸のバランス悪いわねー。右、ちょっと小さい」
「んなっ! 春香だって左胸小さいじゃない!」
「あ、馬鹿。声大きい」
 真夏のプールで混雑しているから、少しくらいの声じゃバレないだろう。でも、大きい小さいの話が漏れてし
まえばきっと察せられてしまう。順番待ちをしている人もいるかもしれないのに……。
 よし、ならば。意を決して左腕を胸に伸ばす。目標は天辺、つまり乳首だ。右腕は密着しているせいで使えない。

90 :No.26 女の闘い 3/4 ◇/z2FA0MXPs:07/09/09 23:31:12 ID:3+RL0H4f
「な、何やってんのあんた」
「ふふふ、これで私の方が大きい」
 威張って胸をそらした先には、ちょん、と立ったピンクの乳首。何でもないように言い切れたとは思うけれど、
顔が赤くなるのは隠せない。あああ恥ずかしい。でも私の勝ち。
 しかし、次の瞬間には真紀も行動に移していた。右腕を胸に伸ばし、私と同じように乳首をこりこりと弄る。
真似! 卑怯な!
「ふん、私の方が高い」
 彼女も同じように胸を張り、私に乳首を見せ付ける。私よりは色が濃いけれど、それでも綺麗な桃色が汗に
光っていた。ううむ、乳輪が小さくて羨ましい。形も健康的で綺麗だ。運動の大切さ思い知る。でもそんなことは
今はどうにもならない。もう一度左腕を伸ばして、乳首に手を這わせる。
 こりこりこねこね。
 無言で乳首を弄る女二人。真紀の鬼気迫る表情が怖くて目を逸らしたら、そこには同じような表情をした私がいた。
 狭い中に湿気が充満して、汗がぽたぽたと滴る。全身が赤く火照るのは暑さのせいだ。暑いせい。
 弄っては胸を張り、大きさを競ってはまた弄る。そんなことをしているうちに乳首は赤く腫れ上がっていた。
い、痛い。必死にやりすぎた。しかし引き時が見つからず、どうしようと悩んでいた私に汗ばんだ腕がぬ、っと伸びた。
「潰れろ!」
「あ、ちょっ……」
 暑さで頭がやられたらしい。自分の胸に限界を見出した真紀が、私の胸を手のひらで押しつぶしていた。それ
だけでは飽き足らず、ぐりぐりと押さえつけ――え、ちょ、やめっ。弄りすぎて過敏になった乳首が、彼女の手で
右に左に倒される。数秒で離れた手にほっとしたのも束の間、胸を見比べた彼女は唇を尖らせてまた私の胸を
押し潰しに掛かる。しっとりした彼女の体温が私に伝わり、慌てて真紀から距離を取った。やばい、これはやば
い。何かがやばい。
 横一列の体制から向かい合う状態に変更。私が何を慌てているのかわからない、といった様子で首をかしげる
彼女に殺意が沸いた。
「お前も、つぶれ、ろっ」
「え、ひゃっ?」
 真紀と同じように、でも今度は両手で器用に揉んでやる。わざと頂点に触れるようにしてやると、彼女の顔が
変に歪むのがわかった。ざまあ見ろ。
 なんだか頭に警報が鳴り響いている気がしたが、もうそんなこと気にするものか。私の思うがままに形を変える
真紀の胸を見ていたら、おかしな気分になってきたのだ。きっと暑さのせいだ。暑いせい。

91 :No.26 女の闘い 4/4 ◇/z2FA0MXPs:07/09/09 23:31:38 ID:3+RL0H4f
「んっ……ちょ、春香、ふざけす、ぎっ」
 かわいい。カーテンの向こうには相変わらず人の気配はするから、きっと気になってしまっているのだろう。本当、
かわいい。
 抑えられた声が聞きたくて、ぼんやりとした頭で私は真紀のボトムに手を伸ばし――。


行数足りないので終了\(^o^)/



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