【 鼻と花 】
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61 名前:鼻と花 :2006/05/07(日) 22:10:21.55 ID:xOnFwPeb0
 俺の鼻は長い。友達の田中には
「お前って天狗に似てるよな」
と、まで言われる始末。
 いや、お題は鼻ではなくて花である。花について書かなければ。
 ハナミズキという木がある。4月から5月にかけての、ちょうど今ごろ花が咲く。
「なんか鼻水みたいな名前だよな」
 また田中だ。こいつが出てくるといつも調子が狂う。

63 名前:鼻と花 :2006/05/07(日) 22:10:52.76 ID:xOnFwPeb0
 ハナマルキという会社がある。味噌のCMで有名なあの会社。
田中が味噌汁が好きらしいが、私は嫌いだ。
鼻がつかえて飲めないからである。
 飯はお箸で食べればいい。飲み物はストローで飲む。
味噌汁は熱いものが美味しい。しかしストローで飲むと、舌を火傷をしてしまいかねない。
 そんなことを鈴木に相談してみる。
「ああ、それなら良い薬があるわよ」
 鈴木は二五歳独身女である。

64 名前:鼻と花 :2006/05/07(日) 22:11:16.57 ID:xOnFwPeb0
「薬?鼻を直す薬か?」
「そんな薬あるわけないでしょ。火傷を感じさせない薬よ」
 家に常備薬としてあるらしい。
ガマの油のようなものだろうか?
 考えても仕方が無いので、彼女の家に行ってみることにした。
「これよ。火傷の特効薬」
 その薬が入ってるであろう箱には『傷皆は』と書かれている。
「きずみんなは?」
 読み方を彼女に聞いた。
「きずみなはって読むらしいわよ」
「変わった名前だね。傷薬でもないのに」
「そうね、何で出来てるのかしら?」
 薬の原料はハナミズキと書かれていた。






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