【 幼女プレイ 】
◆KlKMyazyas




227 名前:幼女プレイ(1/5) ◆KlKMyazyas 投稿日:2007/03/04(日) 03:02:50.90 ID:6jSkVErF0
 八歳になる息子の勇気が、ある日、自分の部屋が欲しいと言ってきた。
 来年は小学四年生になる勇気。確かに、そろそろ思春期になってきて自立心が高まる頃
だけれど、それにしても自分の部屋が欲しいだなんて、ちょっと早すぎないかしら。
 勇気は、まだ夜一人で眠ることができなくて、妹の千代と一緒に私達夫婦の部屋で寝て
いる。母親の私に抱きついて寝るような、親離れも出来ていない子供がいきなり自分の部
屋を要求してきたことに、私は驚きと一緒に微かな疑惑のようなものを感じていた。
「どうして、自分の部屋が欲しいの?」
「急に欲しくなったんだ」
 いかにも、本当の理由は他にありますよ、といった感じの言い訳だった。
「本当に?」
「うん。本当だよ」
 何だか気になるな。けどまあ、息子が親離れして自立していくのは良いことだし、いつ
かはこういう日が来るのは分かっていたことなんだから、それが多少早くなっても仕方な
いか。私は、勇気に部屋を用意してあげることにした。
 勇気には、二階にある誰も使っていなくて物置になっていた部屋を与えることにした。
休日、夫と協力して物置部屋にあった余計な家具をどけて、軽く掃除をする。二時間ほど
で、さっきまで暗くてひっそりとしていた物置部屋は綺麗な子供部屋へと変貌した。
 初めて手に入れた自分だけの空間を見て、勇気は満足そうな笑顔をしていた。

 ある日、私は勇気の様子を見に部屋へと足を運んでみた。ノブに手をかけ、ゆっくりと
ドアを開けていく。と、突然ドアが勝手に閉められた。
「えっ――」
「ダメ!」
 突然のことに、私は呆気にとられてしまった。どうやら勇気が閉めたみたいだ。
「ちょ、ちょっと勇気。何で閉めるの!」
「ダメなの! 入っちゃダメ!」
 ドアの向こうから勇気が叫んだ。私は再びドアを開けようとしたけれど、勇気が向こう
から押さえているみたいで全く開く気配はなかった。しかたなく、私はドア越しに勇気に
問いかけた。
「何で入っちゃダメなの?」

228 名前:幼女プレイ(2/5) ◆KlKMyazyas 投稿日:2007/03/04(日) 03:03:22.65 ID:6jSkVErF0
「ダメだから! お父さんも、お母さんも、千代も、誰も入っちゃダメなの!」
「だから、何でダメなの? それを教えてちょうだい」
「約束だから、ダメなの!」
「約束……?」

 その後も勇気は、誰かが部屋に入ることを決して許そうとはしなかった。
 約束って、一体何の約束なんだろう?
 私はなんだか嫌な予感がして仕方がなかった。できれば勇気が家にいない間に部屋に入
りたかったけど、子供にだってプライバシーというものがある。
 勇気が部屋から出てきたところを問いただしてみたりもしたが、息子はやはり、「約束
だから言えない」としか答えようとはしなかった。
 結局、私はただ息子の不穏な挙動を傍観していることしかできなかった。
 そんなある日、勇気が友達の家へ遊びに行った時のこと。私がリビングで娘の千代とト
ランプで遊んでいると、ふと、テレビのワイドショーに目がいった。
 内容は、最近増えている少年犯罪についてだった。なんでも、麻薬に手を出す少年が増
えているらしい。興味本位で麻薬に手を出す少年達。親に黙って、部屋にこもって麻薬を
使っているらしい。
 頭を鈍器で叩かれたような感じがした。
 少年犯罪。麻薬に手をだす青少年。部屋にこもって。勇気が? 麻薬を……?
「――さん! ――あさん! ――お母さんっ!」
「え? あ、あれ?」
「お母さん、どうしたの? お母さんの番だよ?」
 千代が、扇形に広げたトランプを私の方に差し出してきた。不思議そうな顔で私を見つ
める千代。私は、頭を振って妙な考えを頭の中から追い出した。あの勇気が、そんなこと
するわけないじゃない。
 私は千代に微笑むと、差し出されたトランプの右端の一枚を引き抜いた。
「やったー!」
 千代の嬉しそうな声。
 私が引いたのはジョーカーだった。不気味なピエロが、薄気味悪い笑みを私に向けていた。


229 名前:幼女プレイ(3/5) ◆KlKMyazyas 投稿日:2007/03/04(日) 03:03:57.48 ID:6jSkVErF0
「いい、千代ちゃん。なんでもいいから変なものを見つけたら、お母さんに知らせるのよ?
特に白い粉の入った袋は要注意ね」
「でもー、お兄ちゃん、お部屋に入ろうとするとすっごく怒るよ? いいの?」
「いーの! これは非常事態なんだから。八島千代一等兵! これより我々は、特別任務
に取り掛かる! 決してミスは許されない! いいか!」
 私がちょっと声音を変えて言うと、千代はビシッと姿勢を正して敬礼をした。
「はい! お母さん隊長!」
「よろしい! では、行くぞ!」
 無人の部屋の扉を慎重に開く。私は部屋の中へと一歩踏みこんだ。千代はほふく前進で、
もぞもぞと部屋に侵入する。服が汚れるから、できればやめて欲しいんだけど……
 部屋の真ん中に立って、ぐるりと見回してみる。部屋に入って左側の壁には窓があり、
部屋の奥には敷布団と足の長いテーブルを利用した簡易勉強机。手前の壁には本棚とタン
スが置いてある。あの子が何かを隠すとしたら、どこに隠すだろう。
 とりあえず、私は敷布団の周囲を調べてみることにした。枕の裏、布団の裏に何かない
か確かめてみたけど、特に何も見つからない。思わず安堵のため息がもれる。
 私は頭だけ振り向いて千代の様子を見た。千代は本棚を調べていた。勇気のマンガ本と
一緒に、夫や私が一人暮らし時代に集めた雑誌が収められている、年期の入った本棚だ。
本棚は天井まで届く高さがあるため、七歳の千代は、「うぅー」と可愛いうめき声をもら
しながら、必死になって上の段へと手を伸ばしていた。
「千代ちゃん、危ないからのぼったりしちゃダメよ」
「だ、だい……じょうぶであります、ぅ……お母さん隊長……っ」
 千代の愛らしい姿に和みつつ、私は隣の勉強机を調べた。教科書などはなく、あるのは
おもちゃやマンガ本だけだった。
「お母さん隊長、変なものを見つけました!」
「え!」
 振り返ると、千代が一冊の雑誌を持ち上げてこちらに見せていた。私は急いで駆け寄り、
千代の掲げている雑誌を見た。
「週刊アサヒ芸――」
 表紙のタイトルを読み終える前に、私は千代の手から物凄い勢いで雑誌を取り上げた。
「わっ! お、お母さん隊長、どうしたでありますか?」

230 名前:幼女プレイ(4/5) ◆KlKMyazyas 投稿日:2007/03/04(日) 03:04:30.01 ID:6jSkVErF0
「な、なんでもない! 千代一等兵。これは目的のものではない。そのままミッションを
続行したまえ」
 千代は一瞬怪訝な顔をしたものの、すぐに敬礼をして本棚との格闘を再開した。私は千
代から取った『雑誌』に目をやる。きっと夫のね……ったく、今夜とっちめないと。
 私は『雑誌』を床に置いた。と、その時、本棚の最下段にある引き出しが目に入った。
取っ手の横に鍵穴がついている。私はなんとなく、その引き出しに手をかけた。けれど、
引き出しには鍵が掛かっていて開けることは出来なかった。嫌な予感がする。
 鍵は、確かこの引き出しの中に入れていたはず。鍵が掛かっているということは、誰か
が中に入っていた鍵を取り出して、引き出しに鍵を掛けたってこと? 勇気? 何故?
隠したいものがあるから? それは……何?
「お母さん!」
 突然、誰かが私を呼んだ。声の聞こえた方を見ると、入り口のところで勇気が立ち尽く
したまま、驚きと怒りの視線を私に向けていた。
「部屋に入っちゃダメって言ったのに!」
 叫んで、勇気は私に飛び掛ってきた。いや、飛び掛ってきたのは私ではなかった。勇気
が飛びついたのは、鍵の掛かった引き出しだった。まるでそれは、中にある「何か」を守
るかのように私には見えた。
「勇気、その引き出しの中、何が入ってるの? お母さんに見せなさい」
「ダメ! これは、誰にも見せちゃいけないの! 約束したんだ!」
「約束って、一体誰と!」
「ミホちゃんと!」
 ミホちゃん? 私は千代の顔を見た。千代はふるふると顔を左右に振った。
「これは、ミホちゃんとの約束なんだ! 約束は破っちゃダメだって、お母さんいつも言っ
てるでしょ!」
「そ、それは言ってるけど…… 勇気、ミホちゃんって誰なの?」
「……言えない」
 ミホちゃん……勇気の友達に、ミホちゃんなんていただろうか? 少なくとも、私の知
る範囲ではそういった名前の子はいない。じゃあ、一体ミホちゃんって? 女の子……も
しかして、勇気の好きな子? 好きな子との約束だから、ここまで意固地になっているの
かしら。

231 名前:幼女プレイ(5/5) ◆KlKMyazyas 投稿日:2007/03/04(日) 03:05:05.89 ID:6jSkVErF0
 私はできるだけ優しい口調になって勇気に訊いてみた。
「ミホちゃんっていうのは、勇気の大切な人なの?」
 勇気は、少しだけ考える素振りを見せてから答えた。
「うん」
「その引き出しの中って、白い粉とか、そういうのじゃないわよね?」
「白い粉? そんなのじゃないよ」
「そう……」
 こんなまっすぐな視線の勇気が、麻薬に手を出すとは思えなかった。それに息子はまだ
八歳。麻薬に手を出したくても、手に入れる経路があるとは思えなかった。私は千代を連
れて部屋を出ることにした。
「ごめんね。お母さんが悪かったわ」
 私は息子を信じる。勇気は、犯罪に手を染めたりはしない。



 お父さんは会社。お母さんと千代は一緒に買い物に行った。今、家には僕一人しかいない。
 僕はポケットから鍵を取り出すと、それで本棚の一番下にある引き出しの鍵をあけた。
引き出しの中には、しっかりと「それ」があった。
 一週間くらい前。学校の帰りに、アパートのゴミ捨て場で見つけた「それ」。僕はなん
となく気になって「それ」を拾うことにした。
 僕は「それ」を持って、早足で一階のリビングに行った。テレビをつけて、ビデオデッ
キに「それ」――ビデオテープを入れると、ビデオが再生した。裸の女の子と男の人が
体をくっつけながら、何やら変な声を出している。
 なんだか分からないけど、これを見ていると無性に体がむずむずしてくる。これがどう
いうものなのか、僕はよく知らない。けどなんとなく、これは子供が見てはいけないモノ
のような気はしていた。
 一時間くらいして、カメラがベッドの上の女の子に寄った。はぁはぁと荒い息をして、
ぼーっとした表情の女の子。その女の子が、にっこりと笑って言った。
「今日したことは、君とミホだけの秘密だよ? このことは、誰にも話しちゃダメだから
ね。約束だよ?」



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