【 Milky Miserable Midweek
】
◆4dU066pdho
30 名前:No.11 Milky Miserable Midweek(1/3) ◇4dU066pdho[] 投稿日:07/02/17(土) 16:21:58 ID:vU1INAKQ
人生には何が必要だと思う? 愛する人、老後の資金、肩書き、自尊心、人それぞれだと思う。
僕の場合はそれが不幸と音楽とホットミルク。どれが欠けても僕は成り立たない。
ブラームスの交響曲第一番のように「暗から明へ」、不幸から安息へ、この流れが僕の均衡を
保つために必要なのだ。
意図して自分を不幸にすることはできない。客観的にそれは不幸であっても、僕から見ればそ
んなものリアリティの無い芝居に過ぎない。だから、僕は暴力を用いて他人を不幸にする。
昨日は路上生活者を殴り続けた。不条理な暴力に彼はさぞや不幸を味わっただろう。
滾らせた闘争性をそのままに僕は帰宅して音楽をかけた。ブラームスの交響曲第一番。そして、
ミルクを温めた。程よくミルクが温まるころに主題の演奏が始まり、僕は安息を得た。滾らせた
闘争心も日常の不快さも全てホットミルクが静めた。
クライマックスに差し掛かるころには、僕は眠りについていた。
そうだ、レイプしよう。人通りの少ない道を少女が歩いてる。それを見つけて僕はそう思った。
僕は少女を道端に組み敷いて口枷を嵌めた。乱暴に服を剥ぎ取って女性の象徴を露にした。
「兄弟はいるかい? 恋人は? 気分はどう? 今から僕に犯される気分はどうなんだい?
とても惨めだろうね。『どうしてわたしがこんな目に遭わなきゃいけないの』なんて思えるだ
ろうね」
僕は自分のものに唾を垂らしてベトベトに濡らすと、露になった女性器に挿入した。
「とてもとても不幸で惨めなお嬢さん。悲しいかい?
今まで被害者はテレビの中の存在だとでも思っていたのかい?」
僕の頭のなかではブラームスの交響曲第一番の冒頭、「暗」の部分が演奏されている。少女は
口枷のせいで何も喋ることができないでいる。ただただ涙を流すばかり。絵に描いた様な不幸で
ある。
31 名前:No.11 Milky Miserable Midweek(2/3) ◇4dU066pdho[] 投稿日:07/02/17(土) 16:22:32 ID:vU1INAKQ
ティンパニのリズムに合わせて僕は腰を振った。この可愛い泣き顔が僕をさらなる性暴力へと
駆り立てる。それは日常の不快さと交じり合って、僕の身を焦がしていく。
「今日、電車で足を踏まれたんだ。交差点を渡ろうとしたら信号が赤になったんだ。隣のテーブ
ルにいた女子高生の話し声がとても煩かった。雨上がりの街の臭いは最悪だ。用を足そうと思っ
て立ち寄ったトイレが汚かった。近所の道路工事がいつまで経っても終わらないんだ。新聞の勧
誘がとてもしつこかったんだ。自動車の排気音がとても煩いんだ。彼女が最近連絡くれないんだ。
今日は水曜日、土曜日になるまでまだ二日もあるんだ。
コンビニでタバコを買おうと思ってラークを二つ注文したんだ。どうなったと思う? 店員の
中国人はラークマイルドを一つだけ持ってきたんだ。
僕に降りかかるのは悲劇的な不幸ではなく、くだらない不快さだけだ」
僕は日常の不快さを吐き出した。そして、それと共に少女の中に射精した。頭の中では主題の
演奏が始まった。
さぁ、悲劇は終わった。あとは余韻を楽しみながら音楽を聴きホットミルクを飲もう。僕は泣
き崩れたままの悲劇のヒロインを放置して帰宅した。
帰宅して、僕はミルクが切れていることに気がついた。僕の人生に必要なのは不幸と音楽とホ
ットミルク。どれが欠けても僕は成り立たない。第一楽章しかないブラームスの交響曲第一番の
ようなものだ。
せっかく不幸を堪能したのに、滾らせた闘争心をホットミルクで静めないと僕は眠れない。
僕はいつもタバコを買っているコンビニに行くことにした。
32 名前:No.11 Milky Miserable Midweek(3/3) ◇4dU066pdho[] 投稿日:07/02/17(土) 16:23:04 ID:vU1INAKQ
僕は逮捕された。ミルクを買いに行ったコンビニで、ラークとラークマイルドの区別がつかな
い中国人を殴ったことが原因だった。
拘置所は酷く不満だ。ここに収監されること自体はリアルな不幸で悪くないのだが、音楽もホ
ットミルクも無い。
余罪を全て自白することによって、警官は僕にホットミルクをくれた。
「全く酷い悪人だ。自分勝手な考えで暴力を振るい続けたのか」
「僕が悪人だって? 僕は悪人などではない。
僕のしたことと、映画館で悲劇映画を見ることのどこに違いがあるというのだ。酒に酔って自
分の境遇の不幸を自慢をする奴らと、僕のどこが違うというのだ。
不幸を楽しむことが悪なのか?」
不幸と音楽とホットミルク。どれが欠けても僕の均衡は保てない。僕は成り立たないのだ。
「ただ、ミルクが無かっただけではないか」