53 名前:No.13 それいけ隊長! 1/2 ◆kCS9SYmUOU 投稿日:07/01/21 22:39:50 ID:3Qts5iHX
ここは地球上空一万キロメートル。もはや大気はなく、宇宙空間であるその場所に、ひとつの物体があった。
未確認飛行物体――いわゆる、UFOである。
その船内では数人の宇宙人が、地球侵略のため、着々と準備を進めていた。
「グフフ……よいぞ。よい惑星だ……」
数人の宇宙人のリーダーらしき人物が、下卑た笑いを漏らしながら言った。
「その通りですね隊長! 見たところ技術水準は我々以下、侵略も容易そうです!」
副官らしき宇宙人が、隊長の言葉に追従する。その他の宇宙人も、みな同じようにニヤついていた。
そんな時、一人のオペレータが、声を弾ませながら隊長に報告した。
「隊長!」
「なんだ」
ただならぬ様子に、隊長は素早く反応した。そして、オペレータに発言を促す。
「今この惑星のネットワークシステムに介入していたのですが、とても興味深いものを発見しました!」
そう言いながら、中央に備え付けられた巨大スクリーンに映像を転送する。
「これは……!」
そのスクリーンに写し出された映像には、『ニュース速報(VIP)@2ちゃんねる』と書かれていた。
オペレータが説明する。
「このVIPというのは、この惑星における『要人』にあたる言葉だそうです」
「なんだと!? それでは……!」
驚きを隠せない隊長に、オペレータがにやりと笑った。
「そうです。ここに書いてある情報を読めば、この惑星の要人のことなど裸同然! 一気に侵略が進められます!」
その一言に、船内の宇宙人は沸き立った。勝ったも同然。その言葉が、全ての宇宙人を支配していた。
「よくやったぞ! それでは早速、そこから情報を集めまくれ!」
「イエッサー!」
そう言うとオペレータは、意気揚々と手元のデバイスでニュー速VIPに侵入した。
54 名前:No.13 それいけ隊長! 2/2 ◆kCS9SYmUOU 投稿日:07/01/21 22:40:18 ID:3Qts5iHX
そうしてしばしの時間が過ぎた。
「隊長!」
オペレータが隊長を呼んだ。その声は疲れきり、弱々しいものだったが、何というか気迫のこもった声だった。
「どうした!」
隊長席で仮眠をとっていた隊長が、飛び起きて答えた。
「ついに、ついにやりました! 数々の『氏ね』や『テラワロス』、『wwwwwwww』等の
意味不明な言葉に隠された、極秘情報へのリンクを発見しました!」
「でかした! ついにやったか!」
隊長は意気揚々と、巨大スクリーンを見た。そこにはとあるスレッドの、とあるレスが表示されていた。
『おまいらこれ見れwwwww極秘情報ktkrwwwww』
と書かれた下に、青く輝くURL。
それを見た隊長は、威厳のある声で、オペレータに指示した。
「間違いないな……よし、そこに飛ぶんだ!」
「イエッサー!」
その言葉に頷くように、オペレータはそのURLをクリックした。
かちっ
その瞬間、UFOのメインコンピュータが物故割れた。
そして、制御を失ったUFOは、地球の重力に引かれ、墜ちていった。
かくして、人類はVIPPERに救われたのである。
あるあ……ねーよwwwwwwwwww
END