【 無題 】
◇ftvLlU1M0




859 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/16(日) 22:02:54.67 ID:ftvLlU1M0
旅ってのは目的があるべきなんだ。

目的ってのは、言い換えるなら「そうなって欲しい未来」。

冒険活劇ならドラゴンを退治してお姫様と凱旋、
療養の旅なら温泉宿で馬鹿騒ぎのちグッタリ帰宅、
愛の逃避行なら──これは旅の概念から外れるが
最後に安住の地を見つけて末永く暮らしました、ってのが目的。

そこに至るまでが旅であり、目的を通過して旅は終わる。
成功にしろ失敗にしろ、そのどちらかなら旅は終わり、
後には旅を終えた事実が残る。
安堵にしろ屍にしろ、そのどちらかが残る。

──けれど、そう、けれどだよ。

「旅の目的を見失ったまま、
 旅のようなものを延々と続ける奴等も居る、居るんだ。
 馬鹿馬鹿しい、無駄で、無意味で、無価値な、
 まだ自分は失敗していない、まだ自分は成功していない、
 そう言った願望だな、うん、願望、それに縋る連中が居る訳だ」

861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/16(日) 22:04:36.34 ID:ftvLlU1M0
「先生、それはもしかして」

「そうとも、それがあの砂漠を渡る般若灯の正体だ。
 奴らは自分が負けたことに気が付いていないし、
 奴らの長は自身の成就に気が付かない。
 だから百年経とうが二百年建とうが奴らは旅を続ける」

「哀れですね、先生、彼らは何を求めているんでしょうか?」

「至高のおっぱいだ」

「は?」

「白牡丹の絹肌、その先端に咲く手弱女の桃花、
 手ですくい上げると五指の間からこぼれ落ちる豊かな重み、
 浄土の蓮華かくありけりと香る、甘く優しいおっぱいだ」

「おっぱい! おっぱい!」

世界に平和が訪れた。



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