【 無題 】
◆ArLjbjZo/I




800 名前: ◆ArLjbjZo/I :2006/04/16(日) 15:32:59.99 ID:CTBmPEV90
2回目の携帯のアラームが鳴ってから10分ぐらいたった後、いつも通りの時間に、東の窓から朝の光が差し込んできた。
その瞬間、毎週私の睡眠を妨げるひどく意地悪な光によって、私の目は覚めた。
主に大学のキャンパスと下宿先との往復に体力を費やす一週間の生活で疲れ切った体をベッドから起こし、二度寝したいところを堪え、トースターにパンを差し込む。
日曜日の午前は、いつも気だるく、頭が冴えない。

そんなことから始まる私の日曜日にも、楽しみはある。
平日より10分ほど早く、朝食を3分ほどで食べきると急いで着替え、歯磨きなどをし、軽くメイクを施す。
「行ってきます」
誰もいない部屋にそう呟くと、部屋を飛び出した。
日曜日限定、幼い頃、旅行に行かなかった私なりの小さな「旅」。
電車で行ける範囲だけど、決して豪勢でもないけど、私は毎週旅立つ。
知らない、別の世界とのふれあいを求めて。
ただつまらない生活を送るだけの私とは違う存在になれる一瞬を求めて。

そして旅が終え、家に帰ると、大体夜の6時ぐらいになる。
「ちびまる子ちゃん」のエンディングが日曜日の終わりを告げ、また気だるく、悲しく、憂鬱になる。たぶん、これは日本国民共通の気持ちなんだろう。
そんなことを思いつつ、平日と違い早めに、旅で疲れた体をベッドに潜り込ませる。

「そういえば・・・ レポートが宿題だった気が・・・」
結局、私はつまらない生活にしばられているだけなのかもしれない。
だけど、だからこそ新たな自分を求める、向上心みたいなものが、生まれてくると思う。
少なくとも私は、変わってみよう、新たな世界に触れてみようと思っている。
その気持ちを生み出してくれるものこそ、私にとっては毎週の小さな旅だったのだ。





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