411 名前:【品評会】ジャンプ! (1/1) ◆K0pP32gnP6 投稿日:2006/12/29(金) 12:12:11.51 ID:WxtOLYS/0
昔々というほどでもないあるところに、キノコの王国とカメの王国がありました。
キノコ王国とカメ王国は仲が悪く、戦争ばかりしています。
ある日、キノコ王国のお姫様がカメ王国にさらわれました。
それに怒ったキノコの王様は、使ってはいけない兵器に手を出しました。
その人型の兵器は、驚異的なジャンプ力と火を操る能力を持っていました。
圧倒的な力に、カメ王国の兵士達はなす術もなく殺されて行きます。
ある者は踏み潰され、他のある者は炎を浴びせられ。
とうとう、カメ王国はカメの王様だけになってしまいました。
カメの王様は亡くなっていった者達のために必死に戦いました。
城にマグマを利用した罠を作りました。
卑怯者、と言われても仲間の恨みを晴らすためなら大した問題ではありませんでした。
しかし、逆にその罠を逆手に取られて、カメの王様はマグマに落ちてしまいました。
マグマに飲み込まれながらカメの王様はこう言いました。
「敵ながら天晴れ、貴様、名は何と言う?」
キノコ王国の人型兵器は振りかえらずに言った。
「戦場に名前なんか関係あるのか? まあいい。俺の名は、マリオだ」
カメの王様はマリオの背中を見て言った。
「そうか、良い名だ。しかしマリオ! 覚えておくがいい。ワシは必ず戻ってくる!」
「あら。この子ったら、もう寝ちゃったのかしら。ここからが面白いのに」
母親はそう呟いて、息子の眠っているベッドの横の本棚に絵本をしまった。
その本の背表紙には、『新しい日本のおとぎ話』と書かれていた。
≪おわり≫