【 BNSKツンデレ講座vol.25 】
◆7CpdS9YYiY




21 No.6 BNSKツンデレ講座vol.25 (1/5) ◇7CpdS9YYiY 06/12/09 02:31:05 ID:HJJwReDJ
 皆様、ごきげんよう。『BNSKツンデレ講座』のお時間です。
「お姉さま、お姉さまー!」
 あらあら、どうしたの吹雪さん。はしたないわよ。
「ふえ、ご、ごめんなさい! でも、でもでも、あたし陽介とケンカしちゃったんです!」
 まあ、また? 原因は?
「え、それは……あの、あたしが陽介のイチゴ大福食べちゃって、しまったって思ったんですけど、
でもあたし『うっさい! 男のクセにイチゴ大福ごときでうるさいのよ!!』って言っちゃったんです!」
 はあ……吹雪さん、それは貴女が悪いわよ?
「はう……だ、だって……考えるより先に言葉がポーンって……さすがに言い過ぎたとは思ったんですけど、
手のひら返すのも恥ずかしくって……」
 今からでも遅くないから、仲直りしてきたら? 真心を込めて、今みたいに言えばきっと許してくれるわよ?
「ダ、ダメですう! そんなことしたら、あたしがアイツの好きだって……バ、バレちゃうじゃないですか。
お姉さま、お願いします! こーゆーときはなんて言ったらいいか教えてください!」
 まったくもう、しょうのない子ね、吹雪さん。
 ……それじゃあ吹雪さん、テレビの前の皆様と一緒に練習してみましょうか。
「はい!」

22 No.6 BNSKツンデレ講座vol.25 (2/5) ◇7CpdS9YYiY 06/12/09 02:31:21 ID:HJJwReDJ
case1
『自分は悪くないいけれど、気が咎めるとき』


 これなら簡単でしょう。吹雪さん?
「あ、こーゆーこと、ありますあります。
 この間も陽介のヤツ、せっかくあたしが作ってあげたお弁当をしょっぱいだの焦げてるだの言うから、
こっちもつい『なによ、文句あるなら食うな! もう金輪際アンタのために弁当なんか作るか! 水でも飲んでろ!!』
とか言っちゃったんですよ。そしたらあのアホ急にしょぼんとするから、気まずくなっちゃって」
 ふーん。陽介くんも災難ねえ。それで、吹雪ちゃんはそれからなんて言ったの?
「『……ま、どうしても許して欲しいっていうなら、綺麗さっぱり水に流して許してあげるわ』って」
 なかなかいい答えよ、吹雪ちゃん。
「えへへ、そうですか?」
 いい? ツンデレは簡単に自分の非を認めてはいけないの。
 塩をブチ込みすぎてほぼ猛毒の卵焼きや、焦げてるっつーかむしろ炭みたいな鮭を目の前に突きつけられても動じてはダメよ。
 あくまで許しを請うのは向こう。たとえ『美味しいって言ってもらえるように料理の勉強しよう』って思っても、それとこれとは別問題なの。
 分かったかしら?
「はい! 料理の本は自室に鍵かけてこっそり読みます!」
 では、おさらいね?
『許してあげるわ』
 はい、ではテレビの前の皆様も吹雪ちゃんとご一緒に。

「し、しょーがないから許してあげるわ!」

 よく出来ました。

23 No.6 BNSKツンデレ講座vol.25 (3/5) ◇7CpdS9YYiY 06/12/09 02:31:40 ID:HJJwReDJ
case2
『どっちも悪いと感じるとき』


 この場合はどうかしら、吹雪ちゃん。
「えーっと……あの、実は」
 ん? なにかしら。
「こないだ、陽介と……い、行ったんです、その、ホ、ホテホテホテルに」
 あらあらまあまあ。そこまで進んでたの?
「や、その、違うんです! 気の迷いってゆーか、あの中ってどうなってるのかなー、なんて、あははは!」
 で? やることやろうとして失敗したとか?
「だ、だってぇ……怖かったんですぅ。あんなの入らないですよぉ」
 入るわよ?
「は、入りません! 絶対絶対ぜぇーっっったい、入りませんから!!」
 これだから処女は……コホン、あら失礼。話を進めましょうか。
 こういうときはね、相手を罵倒しつつフォローするの。
「え? 難しくないですか?」
 吹雪ちゃん。ツンデレの心得の三を言ってみて。
「は、はい。──『ビバ・温度差』!」
 そう。相手を攻撃した直後に励ますことで生み出される神秘の温度差が、殿方のハートをがっちりキャッチするの。
「ま、マジですか!?」
 マジよ。さ、言ってみて。

「えーと、じゃあ。『さ、最低! そんなにあたしに魅力がないってゆーの!? この馬鹿!!』」
 それだけじゃただの罵倒よ?
「あ、そっか。『あ、あたしだって精一杯の勇気だしたんだから! つ、次はちゃんとやってよね!』
 ……こうですか?」

 ええ、上出来よ。
 テレビの前の皆様も、この用法はぜひとも覚えてくださいませね。 

24 No.6 BNSKツンデレ講座vol.25 (4/5) ◇7CpdS9YYiY 06/12/09 02:31:57 ID:HJJwReDJ
case3
『どう考えても自分が悪いとき』


「あ、これですよ! あたしが知りたいの!」
 そんなに焦らないで。これ、とっても大事なところよ? 今週のツンデレワードだから。
「あ、ご、ごめんなさ──」
 ストップ。それじゃダメよ、吹雪ちゃん。
「はい?」
 本音を素直に打ち明けるっていうのは、ツンデレの最後の切り札なの。その言い方にも最大限の気を配るべきだわ。
「あー、そうですよね」
 ポイントは……『明瞭に発音しないこと』、よ。そうねえ、ゴマメのマからmを抜くような感じかしら?
「ゴ、ゴメ……」
 それから、Ξのuを外す気持ちで。
「っさい……?」
 いい感じよ。繋げて言ってみて。あ、間にaを挟むのよ?
「ご、ごめ……んぁ、っさい」
 パーフェクトだわ!
「でもこれ……相手に伝わりますか?」
 吹雪ちゃん、気持ちを伝えるときは言葉だけに頼ったらダメよ。
 顔を真っ赤にするとか、涙目上目使い、スカートの裾をつかむ、などを併用するの。
「なるほど、さすがお姉さま!」
 それでは、テレビの前の皆様もご一緒に。

「ご、ごめ……さい」

 それじゃ応用問題よ。それでも相手が『え? 今なんて言ったの?』と聞いてきたらどうする?
「『こ、こんな恥ずかしいこと二度も言わせるなあ!』」
 素敵よ吹雪ちゃん! やれば出来るじゃない!
「えへへ」

25 No.6 BNSKツンデレ講座vol.25 (5/5) ◇7CpdS9YYiY 06/12/09 02:32:11 ID:HJJwReDJ
 どう? 陽介くんと仲直りできそう?
「はい、頑張ります!」
 それでは残念ながら『BNSKツンデレ講座』、お時間ですのでまた来週。

 来週のツンデレワードは『今日、パパもママも家にいないの』です。

「べっ、別に見たくなかったら観なくていいけど……観なかったらブッ殺すから!!」
 それではごきげんよう。
「フ、フン! またね!」



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