【 タカシとOKASHIなえぶりでい
】
◆BEIrg0g0o.
28 :NO.07 タカシとOKASHIなえぶりでい (1/5) ◇BEIrg0g0o. :06/11/05 21:34:34 ID:AdhrRh97
オッス! オラの名前は岡タカシ。セントスイーツ学園(略してセン学)二年シュガー組五番の元気いっぱいキャンディーボーイだ。
「およよーいタカー! その人新しい部員さんかにゃ〜?」
おっと、今オラたちに駆け寄ってくるネコ耳バンドをつけたあの制服娘は、二年クリーム組十四番綺羅星ウララ。オラの幼馴染だ。
「にゃん! にゃんにゃ〜ん、う、うにゃっ! アイタタだにゃ」
ウララは転ぶのが趣味みたいなものだ。今もつまづきそうな物なんてなかっただろ? だけど、今日もピンク色のボブカットと白玉イチゴパンティのコントラストが眩しいぜ!
「タカ、ボクのおパンチュ見えたにゃ?」
「いや、オラ見えてないし、見てないよ」
「うにゃにゃ! よかった〜。今日のおパンチュ大事な人にしか見せないって決めてんだにゃ」
よく言うぜ! 毎日拝ませてもらってるよ。しかも、いつも同じ柄じゃねーか? 換えてないのか? ひょっとしてシミシミなのか?
っと、それはそうとして、ウララとオラは家庭科部に所属してんだ。
オラに至っては、君が来るまで学園唯一の男子部員だったんだぞ。
セン学はあとソフトボールとアマチュア無線部があったかな。他の部は全部崩壊しちゃったんだよ。
とりあえず、家庭科部は、『強い花嫁になろう』をコンセプトに設立された由緒正しき部活で、
オラはいいお婿さんになるため、今日も元気にクッキングしてんだ! ほら、ここが調理室。広いだろ? 今日から君もここでクッキングだ。
29 :NO.07 タカシとOKASHIなえぶりでい (2/5) ◇BEIrg0g0o. :06/11/05 21:34:52 ID:AdhrRh97
「タカァ、ボク、ウズウズしてきたにゃ」
彼女綺羅星ウララはね、調理となると人が変わるんだ。
そんな彼女をオラたちは『銀閃の悪夢』と呼んでる。
さてと、今日の献立を発表しよう。
今日は『キャロットドーナッツ』
薄力粉120g、強力粉120g、ベーキングパウダー7g、砂糖70g、バター45g、卵1個、牛乳450ml、ニンジン3本を準備だ。
油の温度に気をつけよう。熱過ぎず、冷め過ぎずだからね。生地を入れて五分でキツネ色になればOK!
これは作るの簡単だから大丈夫だよね? あ、そうそう。生地は薄めに作らないと膨らんだ時大変な事になっちゃうからね。
それと、一つだけ注意。調理中オラの言う事は絶対厳守。もし調理中何かあっても、責任は取れないからね。それと、傘はちゃんと持ってきたよね?
うん。じゃあ、レッツ☆クッキング!
「うにゃにゃにゃにゃにゃ〜〜〜〜ん」
さて、早速ウララお得意みじん切りだ! 床に伏して! 巻き込まれちゃうぞ。
ほら! 今壁を裂いた斬撃。大気中を高速移動しながらニンジンを切るウララのものだ。どうだい? 君にウララが見えるかな?
――うぎゃぁああ。
あっ! 三年バニラ組のサエ先輩が斬られた! 大変だ。ウララがまた違うもの斬り刻んじゃってる!
大丈夫。怖がらないで。これはいつものことだから。今日はたまたまサエ先輩の日だったんだ。サエ先輩の名は英雄として校庭裏に刻まれるんだ。
――
静かになったね。どうやら終わったらしい。もう顔上げて大丈夫だよ。
「うにゃ〜ん。いっぱい切れたにゃーん」
ウララはね、調理工程はどこか道を踏み外してるけど、腕は確かなんだ。ほら、ポールの中にニンジンとか、ちゃんと切り刻まれてる。
次は生地をこねる作業だ。大丈夫? 気分悪くない? もう少しだからがんばろう。
ダマにならない様に少しずつ牛乳を入れてよく混ぜて。
そうそう、いい感じ、いい感じ。それを台でこねて粘りを出していこうか。
30 :NO.07 タカシとOKASHIなえぶりでい (3/5) ◇BEIrg0g0o. :06/11/05 21:35:08 ID:AdhrRh97
「う〜にゃん! にゃにゃにゃ〜ん」
――ドシーン、ドシーン。
生地をどんな強い力で台に叩きつけても大丈夫。この台は特別製でね、象が踏んでも壊れないんだ。
――ドシーン、ピキピキ。ガシャーン。
「うにゃはは〜。潰れちゃったのにゃ」
あぁ、たった今欠点が発覚したね。象以上の圧力が掛かる事を想定してなかった様だ。
「にゃはっ! クッキーここに起立だにゃ」
大変だ。二年シナモン組久木田サナエさんが狙われてる。
「うにゃ、いくよぉ〜〜」
あわわわわ、生地でビンタするつもりだ。早く目を閉じて、耳も押さえて。音が聞こえないように強く押さえて!
――ぎゃあぁあああ、死、ベシン、ベシン、ゴキッ、ゴキッ、ポロッ、ゴロゴロ。
もう、目を開けていいよ。ちょっと待って、床は見ちゃ駄目。いいね? 何か蹴っても、気にしなくていいからね……。
あとは生地に穴を開けて油で揚げるだけだ。みんな気を引き締めて行こうじゃないか! ここからが正念場だ。
31 :NO.07 タカシとOKASHIなえぶりでい (4/5) ◇BEIrg0g0o. :06/11/05 21:35:20 ID:AdhrRh97
「お〜し。いっくにゃ〜〜〜」
遥か天上界よりそれは、空を切り裂く鋭い音と共にオラ達の住む惑星向けて投げ出された。
六千五百万年前、恐竜は何故滅びたのか? これには様々な説がある。もっとも有名なのは隕石落下説であろう。
となると、オラたちは恐竜。降り注ぐ数多の隕石は生地。それを投げ込むクララは神、いわゆるゴッドである。
勢いよくフライパンの中へ飛び込んでいく生地と入れ替わるように、高温の油の粒たちは天空を駆け、再び地上へ舞い降りる。
恐らくこれはゴッドによる全範囲を網羅した攻撃だ。
ここで傘を使おう。
天上の油は、落ちていく際に摩擦熱を帯び、烈火に纏われ、オラたちを襲う。
もちろん傘なんて気休めだ。一粒一粒当たるたびに穴が開く。
おかしいよね? 外はあんなに青空なのに、室内で傘を差すなんて。
上空に浮かぶウララは、そんなことお構い無しに生地を投げ続ける。
おかげで白玉イチゴちゃんが丸見えだ。毎日はいててユルユルになってしまったのか、パンティは徐々にずり下がり、地上へヒラヒラと――
雑念を抱いては駄目だ。真っ先に死ぬ。今はただ生き残ることだけを考えよう。
「ほい〜っと。終わったにゃ」
どうやら灼熱の雨は止んだようだ。あとはトッピングして完成だ。
さて、トッピングは何にしようか。う〜ん。
――たのもう! お前たち家庭科部の調理室は今から俺ら『漆黒の堕天使』のアジトにさせてもらう!
げっ、奴らは二年黒糖組の問題児共。
全員長ランにリーゼント、両肩の赤いタスキが特徴だ。
奴らはセン学の部活動を次々と潰し、悪名を轟かせているんだ。ついにオラたちのとこまで来たのか。
――お前たちの中の最強を出せ。勝負だ。
わかってるのかな? ここ女ばっかりだってこと。男は君とオラしかいないのに……。
「トッピングゥゥウだにゃ〜〜〜」
え? ウララ? 駄目、ヤッちゃだめっ。
――ザックザック。ドシャ。ドサ、ドス。
オラは見ていたよ。両手に二本のフォークを振り掲げ、黒糖組の奴らに飛びかかるウララの小さなお尻を――
32 :NO.07 タカシとOKASHIなえぶりでい (5/5完) ◇BEIrg0g0o. :06/11/05 21:35:32 ID:AdhrRh97
――
「んにゃ、おいしそ〜。みんな食べよ?」
確かに美味しそうだ。一体どの部位がどのようにして使われたんだろう。
ホイップクリームなんて用意してなかったよね? じゃあ、このクリームは何から作った?
このイチゴは、クララのパンティかな?
深いこと考えちゃ駄目だね。とりあえずいただこう。
「おいしいにゃっ。新入部員さんもお食べにゃ?」
本当に美味しいよ。オラのお墨付きだ。ホラ、一口食べてごらんよ? ね、美味しいでしょ?
どうだい。今日は楽しんでくれたかな? 今日は軽めだったけど、明日はもっと手の込んだ物を作るんだ。
「そうそう、明日はハンバーグの日だにゃ〜」
もちろん明日も来てくれるよね? ねっ?
\(^O^)/オワタ