7 名前：No.2 満月の夜には 1/1完 □Pf2/z4lW0 投稿日：06/09/16 00:11:27 ID:LbjpQKTV
こんばんは、兵隊さん。こんなところで何をしているの？
月がきれいだからピクニックでもしているのかしら。
ふふ、ごめんなさい。ちょっとしたジョークよ。
でも本当にきれいな満月よね。
ねえ知ってる？
満月の夜には悪魔が出るのよ。
うふふ、これはジョークじゃないわ。
ちゃんと兵隊さんたちの目の前に立っているんですもの。
何を笑っているの？信じられないの？
それなら、こういう姿になれば笑われなくなるかしら。
……やっと分かってくれたみたいね。
あ、そうそう。
どうして私が満月の夜にしか出ないのか、知ってる？
実はね理由なんてないの。ただの気紛れ。
うふふ、ちょっとした豆知識でしょ。
さて、どうかしら。私とのおしゃべりは楽しんでもらえたかしら。
私は楽しかったわ。
でももう怯える姿を見るのも飽きちゃった。
だからさっさと殺してあげる。さようなら兵隊さん。
1864年アメリカ。南北戦争の最中に、ニュージャ−ジー州の
片田舎で北軍の小隊が行方不明になった。
周囲の住人の捜索の結果、小隊の歩哨1名を除き、全員が
遺体で発見される。
遺体にはすべて大型の動物に引き裂かれたような痕があり
詳しい話を生き残った歩哨に聞こうとするものの、彼は精神
が極度の錯乱状態にあったため、詳細は不明。
記録に残っている彼の発言は、ただ一言だけである。
「満月の夜には悪魔が笑う」
おわり