568 名前:死、闇、生 ◆OZvxEDAV7A :2006/08/06(日) 23:54:58.60 ID:Vx8GHHCD0
ゆっくりと、自分の意思とは関係なく勝手に瞼が閉じる。
瞳に入り込んでいた光のほとんどが遮断され、まぶたを透き通った僅かな光が、瞳に入った。
あぁ……何だか深い眠りに落ちていくみたいだ。
苦しくないと言ったら嘘になる。
呼吸は段々と浅くゆっくりとなり、脳が酸素を求めて「苦しい」と信号を体中に送る。
おかげでとても苦しい。苦しいけど、もはや体は脳の命令に忠実ではなくなっていた。
それなのに脳はそれを認めたくないのか、絶えることなく「苦しい」と叫び続けている。
しかし、その叫び声もすぐに消えてしまった。とうとう脳も限界が来たみたいだ。
酸素が足りなくなったせいで、脳が活動を停止し始めたんだ。
僅かに見えてきた光が、段々を見えなくなってきた。多分、「見る」機能が失われてるんだろう。
光が、俺の光が失われていく。真っ暗闇。何も見えない。
恐い……暗いよ……助けて……助けて!! 誰かここから出し……ぁ……
もぅ……だめ――
――何も見えない闇。
真っ暗だ。本当に、何一つ見えない。けど、温かい。
何だろうこれ。何も見えないけど、すごく落ち着く……
あ……見えた。視界が、少し紅くなった。
紅くて、黒くて、温かい。
と、唐突に闇が消えて、すごい量の光が飛び込んできた
眩しい。眩しすぎるよ。
眩しすぎる。さっきの暗さがよかった。さっきまでの、何も見えない暗闇の方がよかった。
眩しいよ! 恐いよ! 助けて! 誰か僕をさっきのところに戻して!
恐くて、あまりにも恐くて、僕は泣いた。
おんぎゃあ! おんぎゃあぁっ!!