486 名前:【品評会用】タイトル『強欲』 ◆oGkAXNvmlU :2006/08/06(日) 21:56:14.99 ID:oZ4zxhM00
神が地球を作り出す遥か昔、まだ狭い宇宙の片隅に一つの星が生まれました。
その星はこの世の全てを欲しがり、長い時を掛けて、強大な力と全ての知識を得ます。
そして徐々に、周りの星達を支配していくのです。
支配はどんどんと広まり、ついにその星は宇宙のほぼ全てを手に入れました。
全宇宙を支配し、輝きを放つその星は、周りの星達を照らし、たくさんの新しい星と命を育みました。
そんな支配者を、嫌がる星はいませんでした。なぜなら、その輝きは心地よく、希望に溢れていたからです。
しかし、宇宙を支配した星はそれに飽き足らず、この世の全てを望みました。
力でも、知識でも、支配でもない何かを望んだのです。
そして一つの結論に至りました。
光です。光こそがこの世の全て。そう、自らが放つ光でさえ。
その星は自らの光りと、宇宙に煌く全ての光を望みました。
周りの星達も、宇宙をも飲み込み、その身を真の暗闇と変えて……。
「で、結局何が言いたいの?」
マウントポジションから、僕を見下ろす彼女の拳に力がこもる。
「つまり、欲しがり過ぎると、お前もブラックホールのようになるぞ、と」
「いいから金返せ! この甲斐性無し!」
僕はパウンドされないように抱きついて、彼女にそっとキスをした。
終