【 ゲーム 】
ID:3hk1iNtg0




276 名前:ゲーム 投稿日:2006/07/29(土) 18:15:34.81 ID:3hk1iNtg0
左足の膝から流れている血が止まるのを待っている余裕は無い。
後ろから追ってくる兵士は10人程度だろう。
ドヴォルザークは少し先にある20段程の階段を登ったところにあるあの赤い扉の部屋で待っている。
確証はないが、何故か分かる。
奴を殺してバタジェフスカを助けるまで死ぬわけにはいかない。
だが、この怪我では後続の敵を振り切るのは不可能。
俺は角を曲がって敵の死角に入り、都合良く置いてある銅像の影に隠れる。
その直後、真横を大きな足音が通過する。
完全に敵の後ろを取った俺は手に持っている銃のトリガーを4回引く。
同時に、4つの頭が赤い液体を撒き散らせながら爆発した。
敵が慌ててこちらを振り向き、銃口を俺に向ける。
それよりも早く、今度はトリガーを2回引き、横に転がる。
銅像から弾がはじかれる鋭い音が聞こえ、相手の人数がまた2人減った。
素早く立ち上がり、距離を詰める。
一番早く銃口を向けてきた敵の手を右足で蹴り上げる。
銃は高々と空に飛び上がり、右足が地面に戻ってくるよりも早く、至近距離から敵を撃ちぬく。
両足が地面につくと重装備をした男が振り下ろしてきたナイフを突き出してきた。
咄嗟に左手で刃を押さえ、空いた方の手で銃を撃つ。
―カチン

278 名前:ゲーム 投稿日:2006/07/29(土) 18:15:54.28 ID:3hk1iNtg0
空砲。
静かな音と隙が生まれる。
右から別の敵がこちらを狙って銃を構えた。
それを見た俺は左手で刃を押さえたまま、右手でポケットの中にあるナイフを取り出し、投げつける。
ナイフが目に突き刺さった右側の敵の撃った弾は大きく外れて、影で俺を狙っていたらしい男に命中した。
目の前の重装備の男を蹴り飛ばし、一端距離を置く。
ナイフの刃を握っていタ左手は傷つき、銃もナイフも無い不利な戦況。
玉砕覚悟で先制攻撃をしかけようとしたその時、目の前が少し暗くなり、突然動けなくなる。
前を見ると、重装備の男も同じらしく、困惑した表情を浮かべている。
「クソ。ドヴォルザークめ」
その状況は続いたが、ようやく動けるようになった。
男が動揺している間、一気に距離を詰めて蹴り倒し、倒れている相手の首を絞めた。
首から「ゴキッ」という大きな音が鳴り、男は泡を吹いて死んだ。
死体が10人分転がっているのを確認し、ゆっくりと階段をのぼっていく。
先ほどから頭の中に流れている音楽が別のものになる。
「もうすぐだ。もう少しでこの世界から脱出できる。好き勝手に操られるのはもう終りだ」
嫌な微笑を浮かべながら、ドヴォルザークは画面の外で俺を見つめている。



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