318 :お題:雨宿り 1/4:2006/07/08(土) 21:03:42.87 ID:TG6U2m8o0
半端なく、文才ないですけど、書きました。
僕は雨が大好き!
雨宿りは向井さんのお店。だから、今日も向井さんのおねえちゃんと話せるんだ。
おねえちゃんはいつも、パジャマを着てて、その上にガウンを羽織ってる。
そして、お店の奥のほうにある段差のところでお店を覗いてるんだ。
319 :お題:雨宿り 2/4:2006/07/08(土) 21:07:12.50 ID:TG6U2m8o0
「おねえちゃん! こんにちは!」
おねえちゃんと話すのは楽しい。だから、僕はニコニコしちゃう。
「こんにちは」
おねえちゃんはいつも優しく少しだけ笑って、挨拶してくれる。
「また、雨宿りしていくね!」
おねえちゃんと話せるから、僕は元気だ!
「ええ、どうぞ。今日は何を話そっか?」
やっぱりおねえちゃんは、優しく笑ってる。
「うーんとね。今日ね。僕ね……」
僕は今日、学校であったことをちょっと大げさに話すんだ。すると、おねえちゃんはもっと笑って「へえ、よかったねぇ。羨ましいな」って言うんだ。
「おねえちゃんは、外へ出ないの?」
って訊くと、
「お姉ちゃんはね。外に出ちゃだめな体なの」
って悲しそうに言いながら、咳き込んじゃう。
「大丈夫?」
僕が心配すると、おねえちゃんは顔をニコニコに戻して、
「大丈夫。心配しないで!」
って言った。
「ほら、雨上がったよ。お母さんが心配するといけないから、早くお家に帰りなさい」
僕が振り向くと、外はすっかり晴れてた。
「うん!」
おねえちゃんと話せたから、僕は元気だ!
走って外に出ると、虹が見えた。わぁ、綺麗だなぁ……。
「ねぇ! ねぇ! おねえちゃん! 虹だよ! 虹!」
おねえちゃんは笑ってた。けど、ちょっと悲しそうだったなぁ。
「虹? 綺麗?」
うん!
僕は大きく首を振って、おねえちゃんに手を振った。
「じゃあねぇ!」
おねえちゃんも「またね」って手を振ってた。
320 :お題:雨宿り 3/4:2006/07/08(土) 21:08:09.44 ID:TG6U2m8o0
今日は雨の日、雨宿り。楽しみだなぁ。
ちょっと前までは、向井さんのお店に黒い人がたくさんいたけど、今日はいないから、雨宿り。
「こんにちはぁ!」
あれ? 今日はおねえちゃんいないのかな?
奥のほうからおばさんが出てきた。
「はいはい。いらっしゃい」
僕はお客さんじゃないのに……。
「おねえちゃん、いますか?」
おねえちゃんと話せるから、僕は元気だ。
でも、おばさんはちっとも元気じゃない。
「おねえちゃんは……ね……。もう、いないのよ」
悲しそうな顔だった。
「なんで? なんで?」
僕はちょっと元気がなくなった。
「あなたね。いっつも雨宿りに来ていた子って」
おねえちゃんは、おばさんに僕のこと話してたんだ。僕は大きく頷いた。
「あのね……。お姉ちゃんね……。遠くに行っちゃったのよ……」
おばさんはなぜだか泣いちゃった。
僕が悪いの?
「違うのよ。あなたはね、ちっとも悪くないの。でもね。お姉ちゃんに会うには、ここにきてもダメなのよ」
どこに行っちゃったの?
「それは……言えないの。誰にも秘密なの」
なんでぇ?
「秘密なのよ」
おばさんはとうとう、喋れなくなるほど泣いちゃった。ごめんね。おばさん。
321 :お題:雨宿り 4/4:2006/07/08(土) 21:10:40.07 ID:TG6U2m8o0
はぁ。向井さんのおねえちゃん。どこ行っちゃったのかなぁ。おねえちゃんと話せないなんて。
おねえちゃんと話せないから、僕は元気じゃない。
「雨なんて嫌いだ!」
僕はいつのまにか、涙を流して、外に走って行っちゃった。
「雨なんか! 雨なんか!」
おねえちゃん!
悲しかったから、僕は車が来てるのに気付かなかったんだ。だから、お母さんやお父さんや、おばさんとお別れするんだって。
おねえちゃん!
でもね。会えたんだよ!おねえちゃんに!
おねえちゃんと話せるから、僕は元気だ。
完
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オチがありがちで……。もう、荒削りいいとこって感じです。
都合よく目覚めてくれないかなぁ。俺の才能。
ありがとうございました。