273 ：警告１ ◆sTg068oL4U ：2006/06/18(日) 04:00:14.71 ID:1K4gx5U50
俺の忠告を真剣に聞いてくれる奴なんて何処にもいない。
袖に追いすがり必死で叫んでも良くて笑いもの、
下手すりゃ水をぶっかけられてつまみ出される･･････
俺の言ってることが理解出来ねえのか？ホント、ガッガリだよ！
俺は確かに聞いたんだ！３軒となりの老犬、太郎の予言を。
あいつはただの犬じゃない、阪神大震災も新潟の地震も当てた、本物の予言者なんだ。
その動物的勘を超越した老犬が、散歩にも行かず犬小屋でブルブル震えてやがる。
俺は生まれつき犬の言葉が解るから、夜中にそっと忍び込んで訳を聞いたんだ、
「知らない方がいい、それがお前さんの幸せだ」ていうのを無理矢理締め上げてな。
地球がもうすぐ無くなる！テレビを消すみたくパチッと消えちまうんだ！
あの太郎が言うんだから間違いねえ！ハズレはねえんだ！
なのに誰も真面目に聞きやしない、友人達は笑って真面目に聞きやしない。
今まで太郎の予言を介して、俺がどれだけ為になることを言ってきたか･･････恩知らずどもが。
274 ：警告２ ◆sTg068oL4U ：2006/06/18(日) 04:00:34.13 ID:1K4gx5U50
それで俺はここへ来たんだ。「世界一の天才」といわれるこの人なら、冷静に聞いてくれると思って。
でも違った、「先生」の取り巻き連中に囲まれて鉄格子のついた部屋に入れられた。
白衣を着た連中が俺の体舐めるように調べる。
偽善的な笑顔で、「あなたの言いたいことは解りますよ」みたいな顔をする。
それでいて、俺が世界の危機を説いても真面目に取り合わない。
始めはニタニタ笑い、暴れると向こうもキレて注射を打たれる。
全く、どいつもこいつも馬鹿ばっかりだ。もうすぐ地球が無くなるってのに話しが通じねえ。
みんな死ねばいいんだ！しねしねしねしねしねしねしね！
あ、地球が無くなるってことはこいつらみんな死ぬんだよな。ヒヒヒヒヒヒヒ･･････
「先生、今日も徹夜ですか、いい加減寝ないと体に毒ですよ」
「いや、もう少しで研究の成果が出るんだ。この猫が犬語を解することは早い段階で解った。
そして我々に何かメッセージを送ろうとしていることも。しかし肝心の猫語が解らなかったのだが、
とうとうその解読に成功したのだ！これがその訳文だ」
「死ねとしか書いてませんよ」
「長いこと閉じこめていたから気が立っているんだろう。落ちついたら再度聞いて･･････」
地球が消え去った今、そのメッセージを知る術はない。
終わり