【 フードシンドローム 】
◆bxTEZXbfgg




43 :「フードシンドローム」 ◆bxTEZXbfgg :2006/06/13(火) 00:42:30.52 ID:VPAQOA0I0
・・・・・朝か
次々と仲間たちが起きて朝の一声をあげた。
とりあえず部屋から出て外に出た。そこはいつもと変わらず涼しい風の吹く山の草原だった。

生まれたところはもっと空気が汚れていて排気ガスの臭いのするところだった。そこでいくぶ
んか暮らしたあと、この土地へ引っ越してきた。いや、つれてこられたと言ったほうが正しい。
全身薄緑の格好の奴らに無理やり車に載せられたんだ。
そして、車から降ろされたところがここだった。ここにはいろんな国のやつがいた。
黒いやつやら白いやつ、みんなそろって壁の薄い部屋に入れられていた。そして俺もそこに
住むことになった。
確かに狭いが生活に困ることはなかった。食事は一日2回ある。体も週に1回は洗える。言葉は通じないが仲間もいた。
ただ最近、仲間が少なくなってるように見える。いや、実際は数は減っていないと思う。しかしそれは、減った数だけ新し
い仲間が入れられてくるからだ。


44 :「フードシンドローム」 ◆bxTEZXbfgg :2006/06/13(火) 00:43:47.43 ID:VPAQOA0I0
ある日、俺は普段俺たちが入ることのできない建物に迷い込んだ。そこはたくさんの仲間たちの臭いと
血の臭いがした。
と、仲間の悲鳴が聞こえた。この声はたぶん女の子だ。声のしたほうに向かうとそこには首を金属で固定
されて腹を切られた女の子が昔見たことのある全身薄緑色のやつらに囲まれていた。危険だとは分かった。
離れなければいけないとも思ったが足が動かなかった。女の子は次々に体を切られていった。その姿を
大きな機械の陰から見ていた。
薄緑の集団がいなくなった後、彼女の元に行く。顔だけ残され他の体はどこかへ持っていかれたみた
いだった。
顔も、耳は削がれていて、ほほも肉がついていなかった。

そういうことがありながら、俺たちは今日もやつらに出される食事を取っている。
今日はあの女の子が殺された建物の中の機械が動いてるようだ。その建物の中から縄を持った薄緑
のやつが俺たちに近づいてくる。
「さて、今日の豚ちゃんはどの子かなー」
っと、聞こえた。意味は分からない。
そいつが俺を見つけて近づいてくる間、食べている食事が殺された女の子の臭いがした気がした。


−完−


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