【 うわさの神様 】
◆X3vAxc9Yu6




755 名前:うわさの神様 ◆X3vAxc9Yu6 :2006/06/05(月) 00:04:16.39 ID:O1cf/efT0
耳を澄ますと誰かの呼ぶ声が聞こえる。
ほらそこだ。
僕はぐんと自分の身体を引っ張り、光の速さで移動する。
昔はこんなことできなかったのだけど、これは成長というやつだろうか。
ぜいぜいと喘ぎながら、僕は命じられた通りに喋った。

「死ね。市ねじゃなくて死ね。」
「頭おかしいんじゃないのコイツ」
「嘘でしょ」
喋らなければならないことはまだまだあった。

「感動しますた!」
「sageろ新参」
「誰にも言えないからここで書いていい?」
終わったらまた次の言葉を探さなければ。

「バーカ」
「今世紀最後の良スレ」
「なあ、俺ってなにやってんだろう」
ああ、言葉があふれている。

「メールくれ」
「女は消えろ」
「はいはい面白い面白い」

それが僕の今の仕事だ。
なあ、うわさって、もっとひそかで楽しくて、ゆっくりとしたものじゃなかったか。
僕は今日も走り、とめどなく喋り続ける。



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