【 崖っぷち 】
◇FeFqnRaC0





194 :崖っぷち  1:2006/05/20(土) 22:59:58.26 ID:FeFqnRaC0
「もうだめだ」その瞬間に僕の手は止まった。
体中が硬直し始め、額から汗が滝のように流れてくる。
お腹がギュルリと鳴り出し、寒気さえ感じている。
残り10分。テストを犠牲にして、今すぐトイレに直行すべきか。
それともただ時が過ぎていくのを待つべきか。
僕は迷った。「ここで行かなければ漏らしたことを考えると残りの学校生活がウツになる。」
「しかし行けば終了時間までに帰ってこれないだろう。」
そうしているうちにも時がすぎていく。頭では何も考えられなくなり、書く手も震えている。
今、全神経が肛門へと向いている。肛門に押し寄せる便の波は、窓から見えるあの白い入道雲のようにもくもくと広がり始めている。

まさに「崖っぷち」。

「僕もあの雲に乗ってみたいなあ」と、気を紛らわそうとしてもやはり心配になってしまう。
どうやったら引っ込むか、いろんな体勢をとってみる姿は周りから見れば奇怪なものであっただろう。

196 :崖っぷち  2:2006/05/20(土) 23:10:40.29 ID:FeFqnRaC0
残り7分。どうも我慢の限界だ。考えても思い浮かぶのはすべてトイレのことだけ。
「とりあえず、解答を埋めてから決めよう。」そう思ったとき、隣の女の子が突然鉛筆を落とした。
その音に驚いた私は音で返事をするかのごとく大きな屁をこいた。
暗闇で耐えてきたものがビッグバンのように爆発したとき、この世のものとは思えないニオイが辺り一面に立ち込めた。
みんな笑った。先生も笑った。僕も笑った。
もうネタにしかならんだろう。腹をくくった僕は先生に大きな声で言った。
「すいません。ウンコしてきていいですか?」



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