【 つまらん話 】
◆5m18GD4M5g




90 :選考外No.2 つまらん話 1/3 ◇5m18GD4M5g:07/12/03 02:11:52 ID:Mb4WRYJ4
クラスメートの話。
クラスメートのWは、そりゃあもう、イタイ奴だ(った)。
まず鞄に「風林火山」やら「烈風」やら、
なんだ、たぶん本人からすれば「カッコイイ」漢字を手書きで書いている。
繰り返すが手書きだ。
そりゃあ、その鞄をもつ彼はかっこいい、
わけがなくて、女子からは「きもい」やら「うざい」やら、
そういう常套句的な言葉が飛び交う。(これだけが原因ではないが)
まあ、正直僕もあれはどうかと思う。
いや、まだそれはいいんだ。
彼が「きもい」「うざい」「くさい」(あ、これは言われてないか)
と言われる理由はまだたくさんある。
例えば周囲に自分がいかに"授業中真面目でないか"を延々語り出す。
やれ「MP3を聞いている」だの、
やれ「ラノベを読んでいてなあ」だの、どうでもいいわ!そんなこと。
例えば女子と話すと止まることを知らない。
相手がめちゃめちゃ「嫌そうな顔」をしているにも関わらず、
彼は延々自分がいかに凄い人間かを語り出す。
ちなみに彼は高校に入ってから今の高校2年生のこの12月まで8回告白した。
当然全てフラレタ。
まあ、彼はしきりに自分を自慢するタイプで、
容姿にも気を遣っていて(多分自分のことをカッコイイと思っている)
しゃべり方が気持ち悪くて、ゲームの話を良くして、
自称天才で(他称ただのバカ)、そういう凄い人間だ。
多分高校生になって最も成長していない人間である。
そんな彼がある事件を犯した。

91 :選考外No.2 つまらん話 2/3 ◇5m18GD4M5g:07/12/03 02:12:22 ID:Mb4WRYJ4
「おれさあ、中学のときいつも20番以内でさあ」
Wの声だ。
ああ忌々しい。
俺は机に頬杖しながら、HRの開始を待っていた。
Wが俺の前の席なもんで、俺は嫌でも奴が目に入る。

なんかやだなあ。

暇なので時計を眺める。
まもなくHRが始まった。
その後1時間目、2時間目……5時間目と続いて6時間目の話。
6時間目は物理だった。この授業がくそツマランのなんの、延々板書よ。
まったく、こんなんで実力がつくのかねぇ。
前のWはすっかりお休みタイムだし、
コイツ以外もほら、別の世界へ旅立ってるぜ。
そのときだった。クラス中に不気味な音が轟いたのは。
ブリッブリッブリグチャくちゃ
俺は目を疑った。いや、俺じゃなくても一瞬怯むだろう。
俺の目の前でWのズポンの尻の辺りが濡れだしたのだから。
「きゃあああああああああ」
クラスメイトの女子が騒ぎ出す。
「うげえええ、だれだよ、今の音!」

92 :選考外No.2 つまらん話 3/3 ◇5m18GD4M5g:07/12/03 02:12:51 ID:Mb4WRYJ4
男子だって騒ぎ出す。
「……」
先生は固まる。波動の式の途中で。
「うがっ」
やっと目を覚ましたかWよ。
あのさあ、うんこは便所でしてくれるか。
「ああ、バルキスの定理使えば簡単じゃん」
うるせえよ。ばか。
自分に何が起こってるかくらい把握しろ。
ビクッ
ようやく気付いたらしい。
「う、うっ」
いつの間にかクラスメイトの注目が集まっていた。
がたん、と席を立つw。

「先生、廊下の様子がおかしいので見に行ってきます」

彼はそうして席を立ち、その瞬間ズボンの裾からぼろりと落ちた。



次の日から彼の姿は学校にない。



BACK−名称未設定 2◆rtcdh1tgPs  |  INDEXへ  |