【 最後の穴 】
◆hS2sHPD4as




154 名前:No.37 最後の穴 2/2 ◇hS2sHPD4as[] 投稿日:07/11/19(月) 00:18:32 ID:0HdUPaCf
「じゃあ、これから俺とお前は五分の兄弟だ!どっちが兄貴も、弟もねぇ!」
「ああ、これからよろしくな、兄弟!」
ガッチリ握手を交わす二人。
「男の友情っていいわね〜」

私はトモ子。
詳しい説明は省くけど、世界にハルマゲドンが起こって、
生き残っているのはタケシとヒロフミの男二人と女は私一人ってワケ。
これから三人で助け合って生きて行かないといけないってのに、
このバカ二人ったら、ケンカばっかりしていたの。
それが、ようやく日の目を見たものだから、私はほっと胸を撫で下ろしたところなの。
なんにせよ、これからが大変ね。
食料やら寝るところやら、生きるために必要なものはいくらでもあるわ。
これから三人でそれを調達し、維持していかなきゃならないもの。

「じゃあ、トモ子。早速子孫を残すことから始めようか。」
「ハァッ!?」
タケシがいきなり、あまりにもあまりにもなことを言うものだから、私は声を荒げてしまった。
「そうだよ、トモ子。これは生き残った俺たちに課せられた最重要課題だ。」
「は、ハァ!?」
ヒロフミまでタケシに同調してきた。

私はいろいろ言いたいことがあったが、もうめんどくさいので二人に体を委ねることにした。
世界はもう滅びる寸前、毒を食らわば皿までだ。
皿をバリバリ食ってやる。
『毒を食らわば』ってこういう使い方でいいのよね?

155 名前:No.37 最後の穴 2/2 ◇hS2sHPD4as[] 投稿日:07/11/19(月) 00:18:49 ID:0HdUPaCf
「じゃあ、ヒロフミ。順番なんだが・・・・ここはジャンケンで決めようか」
「おい、ちょっと待てよ兄弟。俺たちは五分の兄弟なんだろう!?
だったら穴兄弟でも同じことだ!先に入れるヤツが必ず兄貴になっちまう。
そんなのはダメだ!五分の兄弟じゃねぇ。」
「おいおい、じゃあどうすりゃいいんだよ、穴双子になれってか?」
「そう!それだよ兄弟!それだ!」

「あ、穴双子・・・・・?」
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
私の上に二人の男がいま立っている・・・。
私はいわゆるまんぐり返しのポーズ。
そしてタケシは私のほうを向いて、身をかがめ、男性自身をわたしのあそこにあてがっている。
タケフミはその逆側から・・・・。

「さあ、いくぞタケフミ!」
「おう、兄弟!」
二人「せぇ〜の」
「痛い痛い痛い!」
バキュ、バキューン!

気が付くと私はそばにあった拳銃を握り締めていた・・・。
ピクリとも動かない二人の死体・・・。
これで世界は滅びるのだ・・・。

「あは、あははは、あははははははは、ウッ!」
気が狂いそうになっていた私を、強烈な吐き気が現実に呼び戻した。
「やだ・・・、もしかして三ヶ月まえの・・・アレが?」
世界はまだ滅びないみたいだ。

おしまい



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