【 アンサー 】
◆L3WBFmE5HM




91 名前:No.22 アンサー 1/2 ◇L3WBFmE5HM[] 投稿日:07/11/18(日) 21:19:09 ID:RlCAmG+9
「ねぇ」
「何」
「私とショウタが付き合ったら、友情はどこにいくの?」

僕とヨウコが付き合いだしたのは1ヶ月前。
そうなるまでの長い間、僕たちは友達だった。

「さあ?愛情に変わるんじゃない?」
「でも愛情と友情って別な気がしない?」
ヨウコはいつも何か考えていて、ことあるごとにそこから生まれた疑問を僕にぶつけてくる。
どうして人間は冬眠しないの、だとか、どうして10万円札が無いの、だとか。
僕にとってはどうでもいいこと。
だけどヨウコにはすごく不思議なこと。

「友情と愛情って似てるような感じがするけど、いざ付き合ってみると全然違うよ」
「そーかなぁ」
「だって前は忙しい時間つぶしてまで、ショウタに会いたいなんて思わなかったもん」

互いを異性として意識したのはきっと僕のほうが先で、
きっと僕が思いを告げるまで、ヨウコの僕への思いは「友情」だったんだろう。

「じゃあヨウコは、友情はどこにいくと思うわけ?」

「私は・・・友情はなくなっちゃうんだと思う」
ヨウコはとても困った顔をした。
「私、友情ってすごく綺麗なものだと思うの。たとえば4人友達がいるとするじゃない?
 そうしたら、それぞれに友情があって、どれを特別にするとかないじゃない。
 ・・・でも今の私は、その4人の一人に特別がいて、・・・友情はどっかへいっちゃった。」

92 名前:No.22 アンサー 2/2 ◇L3WBFmE5HM[] 投稿日:07/11/18(日) 21:19:44 ID:RlCAmG+9
「それは・・・僕と友達に戻りたいってこと?」

「そうじゃないってば。だけど、・・・なんかちょっと悲しいねってこと」
そのままうつむいて、ヨウコはまたじっと黙ってしまった。

確かに、友情と愛情は別物だと思った。
僕は、愛情は友情よりも上で、友情よりもっといいもののように思っていたけど、
僕の友人とヨウコ、比べてしまえば、大切さ、思いの強さ。きっとヨウコが勝ってしまう。
友人もヨウコと比べられないくらい大切なものなのに。
どっちも大事なのに、どっちも大切にしたいのに、友情よりやはり愛情が上なのはどうしてだろうか。
・・・でも

「・・・ヨウコは、友情がなくなってしまうこと、悲しいっていったけど、僕はそうは思わない」

「どーして」

僕は、ヨウコだけに聞こえる声で、そっと答えを言った。
ヨウコは少し不満そうな顔をして、「そんなこと言っても、なにもあげませんからね」、と笑った。


ヨウコ、僕は悲しくないよ。
友情はなくしたけど、愛情が生まれたから。





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