【 邪念→よこしま→横縞→縞パン 】
◆VXDElOORQI




74 :No.22 邪念→よこしま→横縞→縞パン 1/4 ◇VXDElOORQI:07/08/27 00:05:08 ID:+H3jP2jW
 蝉の暑苦しい鳴き声が響く中、俺はクーラーガンガンのリビングでザッピングに励む。
「この時間は面白い番組やってないな」
「んー。お兄ちゃんおはよ……」
 俺がリモコンを投げ出したのと同時に目を擦りながら妹がリビングに入ってきた。
 起きたばかりなのだろう。寝癖でショートカットの髪の毛がところどころ跳ね、パジャ
マに使っているTシャツとショートパンツ姿だ。
「お前、今何時だと思ってるんだ。夏休みだからって寝すぎだぞ」
 まだ完全に覚醒していないのか、妹は首をぎこちなく動かし、時計に顔を向ける。
「まだ……朝の六時だよ?」
 時計から俺のほうに顔を向ける妹は不思議そうに顔で首を傾げる。
「もう昼の十二時だ」
 妹は不思議そうな顔のまま、再び時計に顔を向ける。
「あ、ホントだ」
 三度、顔を動かし俺のほうに向け、妹は「えへへ」と恥ずかしそうに笑った。
「あのなぁ」
 俺の言葉を遮るように『ぐぅ』という音が聞こえる。妹はお腹を抑えてもう一度、恥ずかしそうに
「えへへ」と笑った。

 さて、昼飯はなににしようかな。
「お兄ちゃーん。コーヒー頂戴。お砂糖とミルクいっぱいで」
 妹は小さい体をさらに小さくし椅子の上で体育座りのような格好で座り、俺に注文する。
 そこまで甘くしてまでコーヒーを飲まなくていいと思うんだが。
 俺はインスタントコーヒーの粉をカップに入れ、ポットからお湯を注ぐ。こういうときすぐ出来る
インスタントコーヒーは便利だ。
「砂糖はどのくら……」
 俺はコーヒーが入ったカップを手にしたまま固まってしまった。
 ショートパンツの裾の僅かな隙間。そこから白と水色の横縞模様のパンツがほんの少しだけ覗いて
いた。縞パン。実在していたのか。
「ん? コーヒー出来た?」
「え、あ、おう」

75 :No.22 邪念→よこしま→横縞→縞パン 2/4 ◇VXDElOORQI:07/08/27 00:05:24 ID:+H3jP2jW
「ありがと」
 俺は半ば放心状態で妹にカップを渡す。
 漫画やアニメでお馴染みの縞々パンツ。よもやこの目で本物を見ることが出来る日が来るとは思っ
てもみなかった。そもそも縞パンは普通に下着売り場で売っているのだろうか。あまり需要があると
は思えないが。
 いや、まて、実際に妹が着ていると言うことは売っているのだろうか。特殊なお店や通販でなら売
っているという話は聞いたことがあるが、妹がそれを利用しているとは考えにくい。と、いうことは
やはり下着売り場に売っているのか。
「にっ!」
 俺の結論の出ない思考は妹に奇妙な叫び声のようなもので中断される。
「にがいー。お兄ちゃん、これお砂糖もミルクも入ってないよぉ」
「あ、悪い」
 縞パンに気を取られて、すっかり忘れてしまった。

 昼飯を食べ終え、俺は急いで出かける準備をする。
 すると妹も出かけるのか、Tシャツ、ショートパンツ姿から、白いTシャツ、赤いミニスカートに
着替えていた。
「お前もどこか出かけるのか?」
「うん。本屋さんに。お兄ちゃんは?」
「俺はちょっと特殊な……いや服屋に。普通の服屋に行ってくる」
 妹はまた不思議そうな顔で俺のことを見つめてくるが、俺はその視線を振り切るように、「じゃお
先に!」と妹に告げ、家から飛び出した。

 特殊なお店で買い物を終え、俺が家に帰ってくると、どこからゴロゴロと雷の音が聞こえてきた。
「夕立来るのかな」
 なんて思ったのも束の間、すぐに土砂降りの雨が降り出した。まさにバケツの水を引っくり返し
たような雨だ。
 あいつ、大丈夫かな。傘持っていってるとは思えないが。
「ひゃあ」
 と、いう妙な声と共に妹が玄関に飛び込んできた。

76 :No.22 邪念→よこしま→横縞→縞パン 3/4 ◇VXDElOORQI:07/08/27 00:05:39 ID:+H3jP2jW
「おかえり。濡れなかったか?」
「少し濡れちゃった……」
 妹を見てみると確かに少し濡れて……うん、濡れてる。確かに濡れてる。濡れて白いTシャツから
透けて見えている。白と水色のスポブラが。じょ、上下セットだったのか。
「とりあえず着替えてくるね」
 そう言うと妹は小走りで自分の部屋へと消えていった。俺は走り去る妹のブレジャーが透けている
背中をじっと見つめる。
 いや、なんというか、夏の風物詩だねぇ。透けブラは夏の季語にしてもいいよ。うん。

「ふいー」
 妹は着替えを終えリビングに入ってきた。ミニスカートはそこまで濡れていなかったのか、上着だ
け、少しヒラヒラとレースがついたシャツに着替えたようだ。
「これをお前にやろう」
 そこにいきなり今日買ってきた戦利品を袋に入れたまま妹に差し出す。
「え? なに? プレゼント?」
「おう」
 今日これで何度目だろうか。また妹は俺を不思議な顔で見つめる。その瞳が俺に「なんで?」と訴
えかけてくる。
「なにもない日にだって、可愛い妹にプレゼント贈りたくなるときもあるのだよ」
 俺は妹の疑問を華麗に汲み取る。
「え、あ、うん。ありがと」
 妹はなにも言っていないのに、自分の疑問に答えたのに驚いた顔をし、すぐに顔を赤く染める。
 照れてるな。ういやつめ。
「さっそく着てみてくれ」
「うん。これお洋服なの?」
「みたいなもんだ」
「ちょっと待っててね」
 妹はまたリビングから出て行った。別にここでも着れるものなんだけどなあ。

「お、お兄ちゃん……これ」

77 :No.22 邪念→よこしま→横縞→縞パン 4/4 ◇VXDElOORQI:07/08/27 00:05:55 ID:+H3jP2jW
 妹は顔を赤くしたままリビングに再登場した。
「うむ。よく似合う」
 妹はレースのついたシャツに赤いミニスカート。ここまではさっきと同じだ。さっきまでと違う点
は一つ。足には白と水色の横縞模様のニーソックスを履いている。
「縞パンに縞スポブラと来たらやっぱり縞ニーソだな」
 その言葉に妹の顔がさらに赤くなる。
「な、なんでお兄ちゃんが私の今日の下着の柄知ってる……の?」
「あっ」
 やっちまった。
「み、見たの?」
「いや、その、えっとパ、パンツもブラもたまたまというか、事故というか、風物詩というか」
「見たんだ……」
「……見ました」
 妹はじわっと目に涙を溜め、さっきのですでにもうこれ以上赤くならないだろうと思った顔を、さ
らに赤くする。
 無言で俺に近づいてきた妹は、きっと俺を睨みつける。
「ばかっ! お兄ちゃんのエッチ!」
 罵倒の言葉と共に俺を両手で思いっきり突き飛ばした。
 押された衝撃で、俺は思わず後ずさり、そしてフローリングの床で足を滑らした。
 俺はオーバーヘッドシュートをするような態勢でひっくり返り、その足はボールではなく、妹をス
カートを捉え、ひらりと見事にスカートは翻る。
 そして俺の目が捉えたものは、白と水色の横縞パンツとニーソックス。その二つのアイテムの見事
な統一感と、妹の幼くてもしなやかは下半身を包み、その魅力を何倍にも引き出している様子をこの
目に焼きつけ、そして俺はしたたかに後頭部を強打した。
 妹が慌てて俺に駆け寄り、そばにしゃがむのがわかる。
 薄れゆく意識の中で妹の「お兄ちゃん! 大丈夫!」という声と、しゃがんでいるので見える妹の
縞パンがやけにはっきり聞こえ、見えた気がした。

おしまい



BACK−邪念のかたまり◆rmqyubQICI  |  INDEXへ  |