【 answer 】
ID:Zz6p/NfJ0




2 名前:No.01 answer 1/2 ID:Zz6p/NfJ0[] 投稿日:07/07/01(日) 00:30:12 ID:+Xl9deu1
拝啓、お元気ですか?私は元気です。

私もあなたのことが好きでした。


 答えを聞きたいだけじゃなかったんだ。


 5年前のあの夏は暑かった。受験を控えた夏期講習の帰り道。
茹だる様な気温の中を歩いていた。

でも、あの時はそんな暑さすらも気にはならなかった。

「あいつ、妊娠してたんだってな」

 親友の重い口から紡がれた事実はどうしようもなかった。
いや、どうもできなかったのだ。
彼女が何も言わずに消えたのはショックだったが、
それ以上に何も知らない自分を思い知らされたのだ。

3 名前:No.01 answer 2/2 ID:Zz6p/NfJ0[] 投稿日:07/07/01(日) 00:30:33 ID:+Xl9deu1
 ただ、好きで、近くにいたくて、傍にいたくて、そして…、
触れていたかった。もっと、彼女のことを知りたかった。
そんな想いを伝えようと極度の緊張を抱えながら打ち明けた。

 「俺、君のことが好きなんだ」

 だけど次の日、答えを抱えて彼女は転校した。


 こんな涼しい夜は、告白したときの星空を思い出す。
そして、笑ってくれた彼女の笑顔も。
しかし、もう会うことはないと手紙が知らせてくれた。

 今夜はタバコの煙がやけに目にしみる。






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