【 父さん、がんばる。 】
◆U8ECTUBqMk
40 名前:NO.9 父さん、がんばる。 (1/1完) ◇U8ECTUBqMk 投稿日:06/10/29 22:46:58 ID:nOeZ2hNy
悪い。寝る――……
ってだめぇー! 寝ちゃだーめ。
今、一瞬でも甘んじた俺にファック!
お前達もやりなさい。この甲斐性なしな父さんにファックだ。
さぁ、娘達よ。つねりなさい、叩きなさい、騒ぎなさい。
フカフカベッドで父さんが深い眠りに就かないために。
ウグッ。そうだ。ボディだ! プロボクサーの様にアレイで腹筋を……。
ヘボラ! 出来るようだな。打撃後の斬撃への切り替え。お前達は天才だ!
アッフ。そこは駄目。そこをニギニギするのは冗談でも父さん怒るぞ。
幼いお前達に弄られるのは気が引ける。
無邪気なお前達は力加減って物を知らない。いささか刺激が強い。
いつの日かお前達も知らない男の。いや、決してそれはない! 天地神明にちか――
眠いとわけが分からん事を考える。とりあえず、泣くな。妻よ。
俺は耐え抜いた。お前達のおかげである。
娘達は睡の魔の手から俺を救ってくれた。
眠るようにして最期を迎えつつあった俺を、娘達は必死に叩き起こしてくれた。
ある種のショック療法か。三十数年生き、死ぬ間際の大発見だ。この方法をとれば寿命が延ばせるのだ、と。
ただ、なんだ。欠点があった。
外傷がヒドイ。眠るような死はなんとか避けれたが。
おい、俺のハラワタ。フカフカベッドに横たわるな醜いぞ。
いてぇ。いてぇよぉ。
どうしたものか。また睡の悪魔が……。
娘達よ。再度よろしく。生きてお前達の女になった顔を見たいからな。
二十歳になったら酒を飲もう。ただ、決して男は連れてくるなよ。
とりあえず、泣くな。妻よ―― ( 終)