84 名前：品評会出品作：飲み会 ◆KJhdB/chEI 投稿日：2006/10/14(土) 12:49:39.62 ID:uvXuxhwI0
「先輩、何飲んでんですか」
「みて分からんか、ワインのお湯割りだ」
グラスを軽めに揺する。
「駄目ですよう！ お酒をそのまま飲まないのは失礼だって誰かが言ってましたよ！」
「うるせい！ そんなもんは味噌舐めて食えって言ってんのと同じだ！ ヴォケ！」
一気に飲み干し、グラスをテーブルに叩きつける。
「ひ、ひどい、泣いちゃう、私泣いちゃいますよう」
嗚咽と共にしゃっくりをあげる。
「大体がなあ、テメエこそ、そ、それは何だそれは」
缶を小突く。
「え？ ぐびなま。ですよ」
「ちげーよ！ 缶から直接飲むとは何事だ！ 正気の沙汰とは思えねえ！」
「なーに言ってんですか！ 缶ビールは缶で飲んでこそでしょうが！」
「どうやらお前とは雌雄を決せねば、ならんようだな」
「望むところです！」
睨み合う。
「佐藤！ ジンもってこい！」
「オゥケェーイ！」
最初から置いてあったジンと小さめのグラスを二人の間に差し出す。
「勝負は簡単だ、交互に飲んでいって先にぶっ倒れた方が負けだ！」
「いよっしゃああああ！」
「まずは俺からだ！」
自ら注いだジンを飲み干す。
「ぐはあ！」
ぶっ倒れる。
「フハーハハハ！ これでこいつは私のものだ！」
ジンを手元に引き寄せる。
「ひ、卑怯だぞ俺が酒弱いと知りながら」
「フハハ！ 戦いに卑怯もくそもあるか！」
＜終＞