【 炎天下の闘い 】
◆bvudrb.vA2




109 名前:炎天下の闘い(1/3) ◆bvudrb.vA2 :2006/07/28(金) 00:49:10.53 ID:37kRzRsXO
炎天下、照り付ける日光の下、俺はただひたすらに好機を待っていた。
暑い、この暑さで敵もきっと苦しんでることだろう。
既に他の仲間達は捕まっている。俺が最後の一人なんだ。
そう思いながら、敵の拠点を偵察する。
案の定仲間は全て捕まっており、晒し物にされている。
周りに身を隠すような場所は無い、しかし標的の位置は分かった。
(あいつを倒せば勝てる)
日光はさらに輝きを増す。暑さからか、緊張からか額には汗が吹き出ていた。
服で拭い、見張りに目をやる、さすがに厳重だ。
しかし相手も人間である以上、スキは出来る。

111 名前:炎天下の闘い(2/3) ◆bvudrb.vA2 :2006/07/28(金) 00:49:45.62 ID:37kRzRsXO
仲間から聞き出したか、敵は俺のいる方向ばかり監視してやがる。
(こいつはヤバい、いずれ見つかるな)
体を動かすのも億劫になる暑さだが、負けるわけにはいかない。
敵に見つからないように体を伏せながら移動する。
ぐるりと裏側まで移動して来た、
どうやらまださっきの所を監視してやがる。今ならターゲットががら空きだ。
(好機!)
俺は隠れるのを止め、ターゲットを狙って走りだした。
しかし相手もすぐに気付き、走りだした。
(負けるものか!)
最後の特攻に俺は全力を尽した。

112 名前:炎天下の闘い(3/3) ◆bvudrb.vA2 :2006/07/28(金) 00:50:44.58 ID:37kRzRsXO
急に片足に激痛を覚えた。靴が脱げたのだ。
地面があまりにも熱い。照り付ける日光のせいだ。
走って走って走り続けた。敵はあまり強くない、勝てる。
ターゲットまで辿りつき、ついにとどめを差した。
「カァン」
乾いた音が炎天下に鳴り響く。続いてカラン、カランとスチール缶の跳ねる音がした。
敵はじだんだを踏み、悔しがった。仲間の歓声が聞こえる。
「勝ったんだ、俺達は勝ったんだ!」
そう、俺達は闘いに勝った。缶蹴りと言う闘いに。
闘いが決着した。俺達は鬼に罰ゲームとして冷たいコーラを奢らせた、闘いの後の宴はいいものだ。



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